# New ports collection makefile for: oneko # Date created: 5 December 1994 # Whom: asami # # $FreeBSD$ # PORTNAME= oneko PORTVERSION= 1.1b CATEGORIES= games MASTER_SITES= ftp://ftp.cs.columbia.edu/archives/X11R5/contrib/ MAINTAINER= asami@FreeBSD.org COMMENT= A cat chasing a mouse all over the screen MAN1= oneko.1 MANCOMPRESSED= yes USE_IMAKE= yes .include <bsd.port.mk>
FreeBSD port 作成者のためのハンドブック
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FreeBSD は The FreeBSD Foundation の登録商標です。
Sun, Sun Microsystems, Java, Java Virtual Machine, JDK, JRE, JSP, JVM, Netra, OpenJDK, Solaris, StarOffice, SunOS および VirtualBox は アメリカ合衆国およびその他の国における Sun Microsystems, Inc. の 商標または登録商標です。
UNIX は アメリカ合衆国およびその他の国における The Open Group の登録商標です。
製造者および販売者が製品を区別するのに 用いている表示の多くは、商標とされています。この文書に登場する表示のうち FreeBSD Project がその商標を確認しているものには、その表示に続いて“™” または “®” 記号がおかれています。
目次
概要
このハンドブックは FreeBSD の port 作成者 (porter) 向けに、 具体的な port の作成方法や注意点などをまとめたものです。
日本語版の作成は FreeBSD 日本語ドキュメンテーション プロジェクト (FreeBSD doc-jp) が行なっています。 日本語訳および、日本語版のみに関することは FreeBSD 日本語ドキュメンテーションプロジェクト <doc-jp@jp.FreeBSD.org> に おいて日本語で議論されています。
文書の日本語訳に関するお問い合わせや、 文書の原文に関する問い合わせをしたいが英語が得意でないという方は、 FreeBSD 日本語ドキュメンテーションプロジェクト <doc-jp@jp.FreeBSD.org> まで日本語でコメントをお寄せください。
Chapter 1. はじめに
FreeBSD Ports Collection は、ほとんどの人が FreeBSD でアプリケーション ("ports") をインストールする手段です。 FreeBSD に関する他のすべてと同じく、 これも基本的にボランティア活動によるものです。 この文書を読む際には必ずこのことを念頭においてください。
FreeBSD では、誰もが新たな port を提出したり、 メンテナンスされていない既存の port をメンテナンスできます。 そのためには特にソースコードを管理する (commit) 権限は必要ありません。
Chapter 2. 自分で port を作成するには
自分で port を作ることや、既存の port の 更新作業に興味があるのですか。それはすばらしい!
ここでは FreeBSD 用の port を作る際の ガイドラインをいくつか示します。 既存の port を更新したいと考えている場合であっても、 まずこの章を読んでから、次に アップグレード を読むようにしてください。
この文書では充分に詳細がわからない場合には、 /usr/ports/Mk/bsd.port.mk を参照してください。 このファイルは、port の Makefile が例外なくインクルードしているものです。 これには細かくコメントが書かれていますので、Makefile を読むのに あまり慣れていない人でも、たくさんの情報を得ることができるでしょう。 それでも解決できないような質問は、FreeBSD ports メーリングリスト にポストしてみるのも 良いでしょう。
Chapter 3. 分間 porting
このセクションでは、簡単な port の作り方について説明します。 多くの場合、これだけでは不十分なので、 この文書の続きを読まなければならないでしょう。
まず、元の tar ファイルを DISTDIR
に置きます。この変数の デフォルト値は /usr/ports/distfiles です。
以下の例では、そのソフトウェアが そのままコンパイル可能なものと仮定しています。 つまり、FreeBSD マシンで動かすために、 変更がまったく必要ないという意味です。 もし何か変更が必要な場合には、次のセクションも 参照する必要があるでしょう。 |
3.1. Makefile の作成
最小限の Makefile は 次のようなものになります。
おわかりでしょうか。$FreeBSD$
を 含む行の内容については、気にする必要はありません。 この行は、このファイルが FreeBSD の ports ツリーに 取り込まれる際に、CVS によって自動的に書き込まれます。 もっと詳しい例が見たい場合には、 Makefile のサンプルの セクションをご覧ください。
3.2. package 記述ファイルの作成
package にするしないに関わらず、どのような port でも 2 つの記述ファイルが必要です。それは pkg-descr と pkg-plist です。ファイル名が pkg- で始まっていることで 他のファイルと区別できるようになっています。
3.2.1. pkg-descr
このファイルには、その port についての少し長い説明を書きます。 その port が何をするのかについての、 数段落程度の簡潔な解説があれば充分です。
これはマニュアルでもなければ、使用方法やコンパイル方法に ついての細かい説明書でもありません。 README ファイルや マニュアルを引用するつもりなら注意が必要です。 これらは多くの場合、その port の簡潔な説明になっていなかったり、 扱いにくい形式になっていたりします。 (マニュアルの場合、行を揃えるために空白が調整されていたりします。) このソフトウェアに公式のウェブサイトがあるのなら、 ここに書いてください。その際自動化ツールが正しく動作するように、 ウェブサイトのうちの一つには、 先頭に |
このファイルの最後に、あなたの名前を書くことが推奨されています。 たとえば、こんな具合です。
This is a port of oneko, in which a cat chases a poor mouse all over the screen. : (うんぬん。) WWW: http://www.oneko.org/ - Satoshi asami@cs.berkeley.edu
3.2.2. pkg-plist
このファイルには、その port によってインストールされる すべてのファイルを列挙します。 このファイルは package を作る際のリストとして使われるため、 "パッキングリスト (packing list)" とも呼ばれます。 ここに書くパス名は、インストール時のプレフィックス (通常 /usr/local または /usr/X11R6) からの相対パスです。 MANn
変数を 使用している場合 (使用することが推奨されています)、このリストに マニュアルは入れないようにしてください。
簡単な例を載せておきましょう。
bin/oneko lib/X11/app-defaults/Oneko lib/X11/oneko/cat1.xpm lib/X11/oneko/cat2.xpm lib/X11/oneko/mouse.xpm @dirrm lib/X11/oneko
パッキングリストの詳細については、 pkg_create(1) のマニュアルを参照してください。
このリストには、すべてのファイルを列挙しなければ なりませんが、ディレクトリそのものは列挙する必要がありません。 また、この port がインストール時に独自のディレクトリを 作成する場合には、この port が削除されるときに そのディレクトリも削除されるよう、 このファイルでは、すべてのファイル名を アルファベット順にソートしておくことを推奨します。 そうすることで、port を更新する際の 変更点の確認が楽になります。 パッキングリストを手作業で作成するのは、 時にとても退屈な作業になります。 その port が非常に多数のファイルをインストールするとしたら、 パッキングリストの 自動生成を行なえば、時間の節約になるかもしれません。 |
3.3. チェックサムファイルの作成
make makesum
と入力するだけで、 (訳注: bsd.port.mk に書かれている) port 生成ルールに従い、 自動的に distinfo ファイルが生成されます。
3.4. port のテスト
package 化も含め、その port が思った通りに 動くことを確認してください。 確認の必要な重要ポイントは以下の通りです。
その port がインストールしないものが pkg-plist に含まれていないこと。
その port がインストールする、すべてのものが pkg-plist に含まれていること。
reinstall
ターゲットを使うことで、その port が 何度でもインストール可能なこと。その port が deintall される際には 後片付けをすること。
Procedure: 推奨されるテストの手順
make install
make package
make deinstall
pkg_add package 名
make deinstall
make reinstall
make package
package
および deinstall
の段階で、 どんな警告 (warning) も出力されないことを確認してください。 ステップ 3 の後、(訳注: その port が作成した) すべての新しい ディレクトリが正しく消去されていることを確認してください。 また、ステップ 4 の後にそのソフトウェアを使用してみて、 package からインストールされた場合にも正しく動作することを 確認してください。
3.6. port の提出
まず、やって良いこと悪いことの セクションを読んでください。
さて、満足のいく port が完成したら、残るは それを FreeBSD のメインの ports ツリーに置いて、 他の人にも使ってもらうだけです。 work ディレクトリや pkgname.tgz といった package は 必要ありませんから、まずこれらを消去してください。 あとは shar find port_dir
の出力を バグレポートに入れ、send-pr(1) プログラムを使用して 送ってください (send-pr(1) についての詳細はバグ報告と一般的な論評を参照してください)。 もし、圧縮していない状態で 20KB 以上あるような port であれば、 それを ひとつの tar ファイルにまとめて圧縮し、 バグレポートに入れる前に uuencode(1) を使用してください (20KB 以下のものを tar ファイルにして送っても良いのですが、 あまり歓迎されません)。 バクレポートの category は必ず ports
, class は change-request
としてください (レポートを confidential
(機密) 指定には しないでください!)。 また、port 化したプログラムの短い説明文を バグレポートの "Description" フィールドに追加して、 "Fix" フィールドには shar したファイル、 もしくは uuencode した tar ファイルを追加するようにしてください。
障害報告の概要 (synopsis) 欄がよく書けていると、 わたしたちが作業しやすくなります。 新しい port を提出するなら "New port: <カテゴリ>/<port 名> <短い port の概要>"、 port の更新なら、 "Update port: <カテゴリ>/<port 名> <短い更新の概要>" のような形が歓迎されます。 この考え方に沿っていれば、 誰かがあなたの障害報告を時間をおかずに見てくれる可能性が高くなります。 |
もう一度、オリジナルのソースファイルや work ディレクトリ、 make package
で作成した package が 含まれていないことを確認してください。
port を提出したら、辛抱強くお待ちください。時には、ある port が FreeBSD に取り込まれるまで、数日しかかかりそうもないの に、数ヶ月かかることもあります。FreeBSD へのコミット待ちの ports の一覧が見られます。
わたしたちがひとたびその port をチェックしたら、必要なら あなたに確認して、それをツリーへ置きます。 あなたの名前はその他の FreeBSD への貢献者の一覧やその他のファイルにも載るでしょう。 う~ん、素晴らしい。:-)
Chapter 4. 本格的な port
残念ながら移植がそう簡単ではなく、それを動かすために 多少の変更が必要になる場合もあるでしょう。 このセクションでは、模範的な ports の作法に従い、 どのように変更を行なって動くようにするのかを 順を追って説明します。
4.1. port 構築の詳細
まず、あなたが port のディレクトリで make
と 入力してから起こる一連の出来事について、 順を追って説明します。 ここを読むときには、別のウィンドウに bsd.port.mk を表示しておくと 理解の助けになるかもしれません。
しかし、bsd.port.mk が何をしているのか 完全に理解できなくても 心配する必要はありません。 それほど多くの人が理解している というわけでは ありませんから…。 f(;)_
まず、
fetch
という ターゲットが実行されます。 このfetch
ターゲットは、 配布ファイルがローカルのDISTDIR
に 存在することを保証する役目を持っています。 もし必要なファイルがDISTDIR
に 存在しなければ、fetch
ターゲットは Makefile で指定されたMASTER_SITES
中の URL や、 FreeBSD のメイン FTP サイト ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/distfiles/ (ここにはバックアップとして、われわれ ports 管理者が確認した 配布ファイルを置いてあります) を探しにいきます。make
を実行するマシンがインターネットに 接続されていて、目的のファイルをFETCH
で 取ってこれた場合には、それをDISTDIR
に 保存します。次に
extract
ターゲットが実行されます。 このターゲットはDISTDIR
から 配布ファイル (普通は gzip された tar ファイル) を読み込み、 その内容を作業ディレクトリWRKDIR
(デフォルトでは work) に展開します。次に
patch
ターゲットが実行されます。 まず、PATCHFILES
にパッチファイルが 指定されていれば、そのパッチを適用します。 次に、PATCHDIR
ディレクトリ (デフォルトでは files サブディレクトリ) に patch-* という 名前のパッチファイルが存在すれば、 これらをアルファベット順に適用します。次に
configure
ターゲットが 実行されます。 これには、いろいろな場合があります。scripts/configure が 存在する場合には、そのスクリプトが実行されます。
HAS_CONFIGURE
またはGNU_CONFIGURE
がセットされていれば、 WRKSRC/configure が 実行されます。USE_IMAKE
がセットされていれば、XMKMF
(デフォルトではxmkmf -a
) が 実行されます。
最後に
build
ターゲットが実行されます。 これは作業ディレクトリ (WRKSRC
) に降りていき、 ビルド (コンパイル) を実行するのが役目です。USE_GMAKE
がセットされていれば GNUmake
が使用され、 セットされていなければ FreeBSD のmake
が 使用されます。
上記はデフォルトの動作です。これに加えて pre- 何とか
や post-何とか
という ターゲットを定義したり、そのような名前のスクリプトを scripts サブディレクトリに置くことも可能で、 それぞれデフォルトの動作の前や後に実行されます。
たとえば、post-extract
ターゲットが Makefile に定義されていて、 scripts サブディレクトリに pre-build というファイルが置かれている場合、 post-extract
ターゲットは 通常の展開動作の後に呼び出され、 pre-build スクリプトは デフォルトのコンパイル動作の前に実行されます。 実行する動作が簡単であれば、スクリプトよりも Makefile のターゲットを使用することが 推奨されています。 なぜなら、その port では どのような非標準の動作が必要とされるのか、 一箇所にまとめて書いてあった方が他の人に理解しやすいからです。
デフォルトの動作は bsd.port.mk の do-何とか
という ターゲットで実行されます。 たとえば port を展開するコマンドは do-extract
ターゲットに書かれています。 もしデフォルトのターゲットに不満があれば、 Makefile 中で do- 何とか
という ターゲットを再定義することにより、 好きなように変更することができます。
"メイン"のターゲット (たとえば |
これで、ユーザが make
と 入力したときに何が起こるのかが理解できたと思います。 では、完璧な port を作成するための推奨手順を 順に見ていきましょう。
4.2. オリジナルのソースの入手
(通常の場合、) 圧縮された tar ファイルの形 (foo.tar.gz あるいは foo.tar.Z) で オリジナルのソースを入手して、 それを DISTDIR
にコピーします。 できる限り、主流のソースを 使用するようにしてください。
もとの tar ファイルがどこにあるかを示すために、変数 MASTER_SITES
を設定する必要があります。 主なサイトのほとんどについては省略形が bsd.sites.mk で定義されています。 これらのサイト (と付随する定義) を、ソースコード内で同じ情報が繰り返されるのを避けるために、 可能な限り使うようにしてください。 これらのサイトは時とともに変わってゆきますので、そうしないと、 関係者一同にとってメンテナンスの悪夢になってしまいます。
ネットワークへの接続の良好な FTP/HTTP サイトを 見つけることができなかったり、頭にくるような非標準的な形式しか 置いていないサイトしか見つけられないときには、 自分の管理下にあり信頼できる FTP サーバや HTTP サーバ (たとえば、あなた自身のホームページ) に置くこともできます。
そのような便利かつ信頼のおける置き場所が見つからない場合、 我々が ftp.FreeBSD.org
に "置き場所"を提供することもできますが、 これはなるべく避けたい解決法です。 配布ファイルは、誰かの freefall
アカウントの ~/public_distfiles/ に置かれることでしょう。 その port をコミットする人に、置いてもらえるように頼んでください。 その人は配布ファイルを置いて、MASTER_SITES
を MASTER_SITE_LOCAL
にセットし、 MASTER_SITE_SUBDIR
には 自分の freefall
ユーザ名を 入れておいてくれるでしょう。
その port の配布ファイルが、 作者によるバージョン更新のようなことがなく変更されるなら、 その配布ファイルを あなたのホームページに置いて、MASTER_SITES
の 最初に指定することも考えてみてください。できれば、その port の作者にそういうことをしないようにお願いしてみてください。 そのためには、何かしらのソースコード管理を行うと役に立つでしょう。 あなたが独自のバージョンを置けば、ユーザが checksum mismatch
エラーに悩まされることもなくなりますし、FreeBSD の FTP サイトの 保守担当者の負担も減らすこともできます。 また、その port にマスターサイトが一つしか存在しない場合には、 あなたのサイトにバックアップを置き、 それを MASTER_SITES
の 2 番目に 指定すると良いでしょう。
その port がインターネット上で入手できる追加パッチを 必要とするのなら、それも取ってきて DISTDIR
に置いてください。 それらがメインのソースの tar ファイルとは別のサイトに あったとしても、心配する必要はありません。 そのような状況にも ちゃんと対応できるようになっています (後述の PATCHFILES の記述を ご覧ください)。
4.3. port の修正
作業用のディレクトリに tar ファイルを展開し、 最新バージョンの FreeBSD 上で正しくコンパイルするために必要な、 あらゆる変更を行ないます。 この処理は最終的に自動化するわけですから、 何を行なったかを注意深く記録しておきましょう。 この port が完成した暁には、ファイルの削除、追加、 修正を含むすべての処理が自動化されたスクリプトや パッチファイルで行なえるようになっていなければなりません。
その port のコンパイルやインストールのために必要な手作業が あまりに多いようならば、Larry Wall の芸術的な Configure スクリプトを 参考にしたほうが良いかもしれません。 新しい ports collection は、エンドユーザにとって個々の port が 可能な限り"プラグ & プレイ"かつ 最小のディスク消費で make できることを目指しています。
明示的に記述されている場合を除き、あなたが作成して FreeBSD の ports collection に寄付したパッチファイル、 スクリプトおよびその他のファイルは、標準的な BSD の 著作権条件によりカバーされているものと見なされます。 |
4.4. パッチの適用
port の準備段階で追加されたり変更されたりしたファイルは、 再帰的 diff(1) により後で patch(1) に与えられる形にすることができます。 パッチは適当にまとめて patch- という名前のファイルに入れてください。 はパッチが適用される順番を示します - これらは アルファベット順、 つまり aa
が最初、 ab
が その次といった順番で処理されます。 お望みなら、patch-Imakefile とか patch-src-config.h のように、 パッチ対象のファイルのパス名を示す名前を使うこともできます。 これらのファイルは PATCHDIR
に置いてください。 そうすれば自動的に適用されるようになっています。 すべてのパッチは WRKSRC
からの相対パスにするべきです (通常、WRKSRC
は port の tar ファイルが展開されるディレクトリで、 make が実行されるところと同じです)。 修正やアップグレードを容易にするため、 複数のパッチで同じファイルを修正するのは避けてください (たとえば、patch-aa と patch-ab が共に WRKSRC/foobar.c を修正するなど)。
RCS にとって特別な意味を持つ文字列をパッチ内に入れないようにしてください。 ファイルを私たちのソースツリーに入れる時、 これらの文字列は CVS によって書き換えられてしまい、 後でまたパッチを使おうとした時にうまくいかないことがあります。 RCS 文字列はドル記号 ($
) で囲まれており、 $FreeBSD
や $RCS
などで始まります。
diff(1) の再帰 (-r
) フラグを使って再帰的なパッチを作るのは大変結構なのですが、 でき上がったパッチは必ず目でチェックして余計なゴミが入っていないことを確認してください。 よくあるのはバックアップファイル同士の変更点、あるいは Imake
や GNU configure
を使うソフトウェアの Makefile の変更点が入っている場合などです。 また configure.in を編集して autoconf
を使って configure
を作り直すときには、 configure
の diff は含めずに (それらは良く数千行におよぶことがあります)、 USE_AUTOCONF=yes
を定義して configure.in の diff をとってください。
ファイルをまるごと消す場合には、 パッチを使わずに post-extract
ターゲットで消す方が簡単です。 できあがった差分に満足したら、 それらをソースのファイルごとに別々のパッチファイルに分割してください。
4.5. コンフィグレーション
カスタマイズのために追加したいコマンドがあれば、 configure という名前のスクリプトに入れて scripts サブディレクトリに置いてください。 上で述べたように、pre-configure あるいは post-configure という Makefile ターゲットや、 スクリプトで処理することもできます。
4.6. ユーザからの入力の扱い
もし、その port がビルド、コンフィグレーション、または インストールの際にユーザからの入力を必要とするならば、 Makefile 中で IS_INTERACTIVE
を設定しなければなりません。 これにより、ユーザが環境変数 BATCH
を セットしている場合には、この port の処理がスキップされるので "夜間の無人ビルド" が実行可能になります。 (逆に環境変数 INTERACTIVE
がセットされていると、 ユーザからの入力を必要とする port だけが コンパイルされます)。 これは、連続して ports をビルドするマシン群で、 無駄になる時間を大きく減らします。
もし、適切なデフォルト設定が存在するのであれば、 PACKAGE_BUILDING
変数をチェックして、 それが設定されている場合には ユーザ入力のスクリプトを起動しないようにしてください。 こうすることによって、我々 ports 管理者が CDROM や FTP に 置く package を作成することができます。
Chapter 5. Makefile の作成
Makefile の作成は非常に単純です。 繰り返しますが、始めるまえに既存の例を見ておくことを推奨します。 また、このハンドブックには Makefile のサンプルがあります。 それを見て、Makefile 内の変数の順番や 空行を入れるところなどの参考にしてください。 そうすると他の人々にも読みやすいものとなります。
では、Makefile を設計するときに 問題となるところを順に追って見てみましょう。
5.1. オリジナルのソース
ソースは foozolix-1.2.tar.gz といった名前の 標準的な gzip された tar ファイルの形式で DISTDIR
に置かれていますか? そうなっていれば、次のステップに進めます。 異なっている場合には、変数 DISTNAME
, EXTRACT_CMD
, EXTRACT_BEFORE_ARGS
, EXTRACT_AFTER_ARGS
, EXTRACT_SUFX
, DISTFILES
のうち いくつかを書き換える必要があります。 どれだけ変更しないといけないかは、その port の配布ファイルが どの程度標準からかけはなれているかによります (最もよくあるのは gzip ではなく普通の compress コマンドで tar ファイルが圧縮されている場合で、そのときは EXTRACT_SUFX=.tar.Z
とするだけです)。
最悪の場合には、自分で do-extract
ターゲットを作成して、 デフォルトを上書きすることもできます。 しかし、そこまでする必要があることはめったにないでしょう。
5.2. 名前の付け方
Port の Makefile のはじめの部分で port に名前をつけ、バージョン番号を記述し、適切なカテゴリに載せます。
5.2.2. PORTREVISION
および PORTEPOCH
5.2.2.1. PORTREVISION
PORTREVISION
変数は単調増加する値です。 PORTVERSION
が増加した時 (つまり、 新しいオフィシャルベンダーリリースが行なわれた時) には いつでも 0 にリセットされます。 また、その値が 0 でない場合には package 名に追加されます。 PORTREVISION
の変更は、(例えば pkg_version(1) 等の) 自動化ツールが、 新たな package が入手できることを示すのに使われます。
その port から作られる package の内容や構造に 大きな影響を与える変更を行なった時には、 PORTREVISION
を増やしてください。
PORTREVISION
を上げる必要がある変更の例:
セキュリティ上の脆弱性やバグを修正するため、または その port に新しい機能を追加するためのパッチの追加。
package のコンパイル時オプションの有効化や 無効化のための port の Makefile の変更。
パッキングリストの変更や、package のインストール時の 挙動の変更 (たとえば、ssh のホストキーのような package の 初期データを生成するスクリプトの変更など)。
その port が依存する共有ライブラリのバージョンを 上げる場合 (新しいバージョンの共有ライブラリが インストールされた後に、そのライブラリに依存していた 古い package をインストールを試みる場合、 その package は新しい libfoo.(x+1) ではなく 古い libfoo.x を探そうとするため、インストールに失敗します。 (訳注: そのため、PORTREVISION を上げた package を 作成する必要があるわけです))。
ひそかに port 配布ファイルの変更が行なわれ、 その機能に大きな変化があった場合。 つまり、distinfo の修正を 必要とするような配布ファイルの変更が行なわれ、 新旧のバージョンの
diff -ru
を取ると 些細とは言えない変更が認められるにもかかわらず、 オリジナルのバージョン番号が変更されていないことからPORTVERSION
の変更は難しい場合。
PORTREVISION を上げる必要の無い変更の例:
生成される package に機能の変化が起らないような port スケルトンのスタイル変更。
生成される package に影響しないような
MASTER_SITES
その他の port に対する機能変更。誤植の修正などの些細な変更で、その package のユーザが アップグレードを必要とするほどには重要でないパッチ。
以前にはコンパイルが通らなかった package を ビルド可能にするための修正 (その port が以前にビルド可能だった プラットフォームにおいて、その変更により何らかの機能的な 違いが発生しない場合に限ります)。
PORTREVISION
は package の内容を反映したものなので、その package が以前にビルド可能でなかったのなら、変更を示すために、PORTREVISION
を 増やす必要はありません。
経験的な判断方法としては、ある port にコミットされた変更が (それが強化や修正によるものであれ、新しい package による 実質的な効能であれ)、アップデートすることにより、 誰もが利益を受けるような何かかどうか、また定期的に ports ツリーを更新している人に更新を強制するということに値するか自問してみることです。 もし答がイエスであれば、 PORTREVISION
を上げるべきでしょう。
5.2.2.2. PORTEPOCH
ソフトウェアのベンダや FreeBSD の port 作成者は、 以前のものよりも小さい数字のバージョン番号をつけたソフトウェアをリリースするといった、 何か馬鹿げたことをすることが時々あります。 例をあげると、ある port が foo-20000801 から foo-1.0 になるといった具合です (数字として見ると 20000801 は 1 よりも大きいため、 間違って前者の方が新しいバージョンとして扱われてしまいます)。
このような場合には PORTEPOCH
バージョンを増やしてください。 上のセクション 0 で説明したように、 PORTEPOCH
がゼロでない場合には、 それがパッケージ名の後ろにつけられます。絶対に PORTEPOCH
を減らしたり、ゼロにリセットしてはいけません。 さもないと、以前に作成された package との比較に失敗する (つまり、その package が古くなっていることがわからない) ためです: 新しいバージョン番号 (上の例では1.0,1
) は 依然として前のバージョン番号 (20000801) よりも 数字としては小さいのですが、自動化ツールが サフィックス ,1
を特別扱いすることで、 以前の package には明示されていないサフィックス ,0
よりも新しいことがわかります。
誤って PORTEPOCH
を削除したりリセットしたりすると、終わりのない悲劇に見舞われます。 上記の議論を理解できないなら、 わかるまで議論をたどるかメーリングリストで質問してください。
大多数の ports では、PORTEPOCH
が 必要になることは まず無いものと考えられています。 また、注意深く PORTVERSION
を使用することで、 そのソフトウェアの将来のリリースがバージョン構造を変更する必要が出てきた場合にも、 多くの場合前もって対応しておくことができるでしょう。 しかし、"スナップショット"リリースのように、 オフィシャルなバージョン番号を持たないベンダーリリースが行なわれた時には、 FreeBSD 版の port 作者によるケアが必要になります。 そういったリリースに対し、 リリース日付を使ったラベルを付けたいという誘惑にかられることがあるでしょうが、 そうすると新しい"オフィシャル"リリースが行なわれた時に、 上の例で示したような問題が起きることでしょう。
例えば、あるソフトウェアのスナップショットリリースが 20000917 に行なわれ、以前のバージョン番号が 1.2 だったとすると、 そのスナップショットの PORTVERSION
には 20000917 ではなく 1.2.20000917 か何か、そのような番号を 指定するのが良いでしょう。 そうしておけば、例えばバージョン番号 1.3 として後続のリリースが 行なわれた場合にも、大小関係が崩されずにすむわけです。
5.2.2.3. PORTREVISION
と PORTEPOCH
の使い方の例
gtkmumble
の port, バージョン 0.10
が ports collection にコミットされます。
PORTNAME= gtkmumble PORTVERSION= 0.10
PKGNAME
は gtkmumble-0.10
になります。
ローカルな FreeBSD パッチを必要とする セキュリティホールが発見されました。 それに合わせて PORTREVISION
を増やします。
PORTNAME= gtkmumble PORTVERSION= 0.10 PORTREVISION= 1
PKGNAME
は gtkmumble-0.10_1
になります。
ベンダから 0.2
という番号が振られた 新バージョンがリリースされます (これにより、 作者は 0.10
という番号を "0.9 の次という意味ではなく"、 実際には 0.1.0
のつもりで 使用していたことがわかります - あらら、今さら遅すぎる)。 新しいマイナーバージョン 2
は数字として以前のバージョン番号 10
より小さいので、 強制的に新しい package "の方が新しい"と認識させるため PORTEPOCH
を増やす必要があります。 これは新しいベンダーリリースなので、 PORTREVISION
は 0 にリセット (または Makefile から削除) されます。
PORTNAME= gtkmumble PORTVERSION= 0.2 PORTEPOCH= 1
PKGNAME
は gtkmumble-0.2,1
になります。
次のリリースは 0.3 です。 PORTEPOCH
は減少することが無いため、 今度のバージョン変数は次のようになります:
PORTNAME= gtkmumble PORTVERSION= 0.3 PORTEPOCH= 1
PKGNAME
は gtkmumble-0.3,1
になります。
もし、このアップグレードによって |
5.2.3. PKGNAMEPREFIX
および PKGNAMESUFFIX
二つのオプション変数 PKGNAMEPREFIX
と PKGNAMESUFFIX
は、 PORTNAME
および PORTVERSION
と結合され、 PKGNAME
を ${PKGNAMEPREFIX}${PORTNAME}${PKGNAMESUFFIX}-${PORTVERSION}
として定義します。 この時、適切な package 名を選ぶための ガイドラインに沿っているかどうかを確認してください。 特に、PORTVERSION
中に ハイフン (-
) を使用することは禁止されています。 また、package 名に language- もしくは -compiled.specifics 部分が 含まれる場合、それぞれ PKGNAMEPREFIX
と PKGNAMESUFFIX
を使用してください。 これらを PORTNAME
の一部としてはいけません。
5.2.4. package 名についての規則
package の名前は以下のルールにしたがってつけてください。 これは package のディレクトリを見やすくするためで、 既に何千ものパッケージがありますし、 目を痛めてしまうようだとユーザはそっぽを向くでしょう。
package の名前は以下のようにしてください。 言語-名前-オプションバージョン.番号
package 名は ${PKGNAMEPREFIX}${PORTNAME}${PKGNAMESUFFIX}-${PORTVERSION}
というように定義されています。 変数がこの書式と適合していることを確認してください。
FreeBSD はユーザの慣れ親しんだ言語のサポートに力を入れています。 特定の言語のための port の package 名には 言語- に ISO-639 で定義されている言語名の略称を入れてください。 たとえば日本語なら
ja
、 ロシア語ならru
、 ベトナム語ならvi
、 中国語ならzh
、 韓国語ならばko
、 ドイツ語ならde
といった具合です。port がある言語地域に特化したものである場合には、 さらに二文字の国名コードを付加してください。 たとえば合衆国英語圏は
en_US
となり、 スイスのフランス語圏はfr_CH
となります。言語- 部分は、
PKGNAMEPREFIX
変数に 定義されなければなりません。名前の部分の最初の文字は 小文字でなければなりません。 (名前の残りの部分は大文字を含んでいても構わないため、 大文字を含んだソフトウェア名を変換する際の規則は、 あなた自身の裁量に任されています。)
perl 5
のモジュールでは先頭にp5-
を付け、 二重コロン (::
) のセパレータをハイフン (-
) に置きかえる習慣になっています。 たとえばData::Dumper
はp5-Data-Dumper
になります。 また、そのソフトウェアの名前として通常使われるものに番号、 ハイフン、あるいは下線が入っている場合には、 それらを使うことも構いません (kinput2
など)。コンパイル時に環境変数や
make
の引数などでハードコードされたデフォルトを変えてコンパイルできる場合、 -compiled.specifics にそのコンパイル時のデフォルトを入れてください (ハイフンはあってもなくてもかまいません)。 用紙のサイズ、あるいはフォントの解像度などがこれにあたります。-compiled.specifics 部分は、
PKGNAMESUFFIX
変数に定義されなければなりません。バージョン番号は数字とアルファベットからなり、 ピリオド (.) で区切ります。 アルファベットは二文字以上続けてはいけません。 唯一の例外は"パッチレベル"を意味する文字列
pl
で、 それ以外にバージョン番号がまったくついていない場合にのみ使うことができます。 もしソフトウェアのバージョンに "alpha", "beta", "rc" や "pre" といった文字列が含まれるなら、 ピリオドの後に最初の一文字をとってください。 これらの後に、さらにバージョン文字列が続く場合には、 一文字のアルファベットの後にピリオドをつけずに番号を続けます。この考え方は、 バージョン文字列を見て簡単に ports を並べられるようにするためのものです。 特に、バージョン番号の各部分が必ずピリオドで区切られていること、 また日付の部分がバージョン文字列の一部となっている場合には
yyyy.mm.dd
という書式を使っていることを確認してください。dd.mm.yyyy
や、2000 年問題に対応していないyy.mm.dd
という書式を使ってはいけません。
では、DISTNAME
を正しい PKGNAME
に直す例を見てみましょう:
以下は、ソフトウェアの作者が決めた名前から 適切な package 名に変換する方法を示した (実際の) 例です。
配布名 | PKGNAMEPREFIX | PORTNAME | PKGNAMESUFFIX | PORTVERSION | 理由 |
---|---|---|---|---|---|
mule-2.2.2 | (空) | mule | (空) | 2.2.2 | 変更の必要はありません |
XFree86-3.3.6 | (空) | XFree86 | (空) | 3.3.6 | 変更の必要はありません |
EmiClock-1.0.2 | (空) | emiclock | (空) | 1.0.2 | プログラム一つだけの時は小文字のみ |
rdist-1.3alpha | (空) | rdist | (空) | 1.3.a |
|
es-0.9-beta1 | (空) | es | (空) | 0.9.b1 |
|
mailman-2.0rc3 | (空) | mailman | (空) | 2.0.r3 |
|
v3.3beta021.src | (空) | tiff | (空) | 3.3 | なんなんでしょう ;) |
tvtwm | (空) | tvtwm | (空) | pl11 | バージョン番号は必ず必要 |
piewm | (空) | piewm | (空) | 1.0 | 同上 |
xvgr-2.10pl1 | (空) | xvgr | (空) | 2.10.1 |
|
gawk-2.15.6 | ja- | gawk | (空) | 2.15.6 | 日本語バージョン |
psutils-1.13 | (空) | psutils | -letter | 1.13 | コンパイル時に用紙のサイズを指定 |
pkfonts | (空) | pkfonts | 300 | 1.0 | 300dpiフォント用の package |
オリジナルのソースにまったくバージョン情報が見当たらず、 また原作者が新しいバージョンをリリースする可能性が低いときには、 バージョン番号として 1.0
を使えばいいでしょう (上記の piewm
の例がこれにあたります)。 そうでない場合には原作者に聞くか、日付 (yyyy.mm.dd
) を使うなどしてください。
5.3. カテゴリ分類
5.3.1. CATEGORIES
パッケージが作成されると /usr/ports/packages/All に置かれ、一つ以上の /usr/ports/packages のサブディレクトリからリンクが張られます。 これらのサブディレクトリの名称は、CATEGORIES
変数で指定されます。これは、ユーザが FTP サイトや CDROM のパッケージの山から探し出すのを容易にするためのものです。 既存のカテゴリを参照して、 あなたの port にふさわしいものを選んでください。
また、このリストは、その port が ports ツリーのどこにインポートされるかも決定します。 ここに複数のカテゴリを指定すると、port のファイルは最初のカテゴリ名のサブディレクトリに置かれることになります。 適切なカテゴリの選択方法についてはカテゴリ節をご覧ください。
あなたが作成した port が、本当に既存のどのカテゴリにも当てはまらない場合には、 新たにカテゴリ名を作成することもできます。 その場合、新しいカテゴリを提案するメールを FreeBSD ports メーリングリスト 宛に送ってください。 しかし、一般的にはあなたが提案したカテゴリにあてはまる ports が一握りではすまない場合でなければ、 あなたの提案は却下されるでしょう。
時々、カテゴリを 2 階層構造や、 何か他のキーワードを利用した構造に再構成することを提案する人がいます。 今日まで、その提案はどれも実現しませんでした。 なぜなら、その構成を実現することは簡単なのですが、既存の Ports Collection 全体を構成しなおしたものに合わせて改修する労力は、 控え目にいっても気が遠くなるものだからです。 こういうアイディアを送る前に、 それらの提案の歴史をメーリングリストのアーカイブで調べてください。 さらに、動作するプロトタイプを示せと言われるのに対する準備をしておきましょう。 |
5.3.2. 現在のカテゴリのリスト
ここに現在の port のカテゴリの一覧を示します。 アスタリスク(*
) が付いているものは仮想 (virtual) カテゴリです - これらには対応するサブディレクトリが port ツリーにはありません。 これらは第 2 の補助的なカテゴリとして、 検索目的にしか使われません。
仮想カテゴリでないものは、 そのサブディレクトリ内の pkg/COMMENT に一行の記述があります (例: archivers/pkg/COMMENT)。 |
カテゴリ | 説明 | Notes |
---|---|---|
accessibility | 障害を持ったユーザの役に立つ ports | |
afterstep* | AfterStep ウィンドウマネージャをサポートする ports | |
arabic | アラビア語サポート | |
archivers | アーカイブ用ツール | |
astro | 天文学関連の ports | |
audio | サウンドをサポートする ports | |
benchmarks | ベンチマークユーティリティ | |
biology | 生物学関連のソフトウェア | |
cad | CAD ツール | |
chinese | 中国語サポート | |
comms | 通信ソフトウェア | ほとんどはシリアルポート用のソフトウェア |
converters | 文字コード変換 | |
databases | データベース | |
deskutils | コンピュータが発明される以前に机上で使われていた道具 | (訳注: いわゆるデスクトップユーティリティのこと) |
devel | 開発ユーティリティ | 単にライブラリだからというだけで、 どうしてもここに置かなければならない理由があるのでない限り、 ライブラリをここに含めないでください。 |
dns | DNS 関連ソフトウェア | |
editors | 一般的なエディタ | 特殊なエディタはそれぞれふさわしいセクションに入れます (たとえば数式エディタは math です)。 |
elisp | Emacs-lisp の ports | |
emulators | 他のオペレーティングシステム用のエミュレータ | 端末エミュレータはここに含まれません - X ベースのものは x11 に、 テキストベースのものは機能によって comms か misc に分類されます。 |
finance | 金融や財務会計関連のアプリケーション。 | |
french | フランス語サポート | |
ftp | FTP クライアントとサーバユーティリティ | port が FTP と HTTP の両方に対応していれば、 ftp に入れ、第 2 カテゴリを www とします。 |
games | ゲーム | |
german | ドイツ語サポート | |
gnome* | GNOME プロジェクトの ports | |
graphics | グラフィックユーティリティ | |
haskell* | Haskell 言語関連のソフトウェア。 | |
hebrew | ヘブライ語サポート | |
hungarian | ハンガリー語サポート | |
ipv6* | IPv6 関連のソフトウェア | |
irc | インターネットリレーチャット (IRC) 用ユーティリティ | |
japanese | 日本語サポート | |
java | Java 言語関連のソフトウェア | |
kde* | K Desktop Environment (kde) プロジェクトの ports | |
korean | 韓国語サポート | |
lang | プログラミング言語 | |
linux* | Linux アプリケーションとサポートユーティリティ | |
lisp* | Lisp 言語関連のソフトウェア | |
メールソフトウェア | ||
math | 数値計算ソフトウェアやその他の数学ソフトウェア | |
mbone | MBone アプリケーション | |
misc | 種々のユーティリティ | 基本的に他のカテゴリに属さないものです。 これは他の仮想でないカテゴリを伴わない、唯一のカテゴリです。 |
multimedia | マルチメディアソフトウェア | |
net | 種々のネットワークソフトウェア | |
net-mgmt | ネットワーク管理ソフトウェア | |
news | USENET ニュースソフトウェア | |
offix* | OffiX suite の ports | |
palm | Palm™ シリーズをサポートするソフトウェア | |
parallel* | 並列計算を行うアプリケーション | |
pear* | Pear PHP フレームワーク関連の ports | |
perl5* | 実行に Perl バージョン 5 を必要とする ports | |
picobsd | PicoBSD をサポートするための ports | |
plan9* | Plan9 に由来するさまざまなソフトウェア | |
polish | ポーランド語サポート | |
portuguese | ポルトガル語サポート | |
印刷ソフトウェア | DTP 用ツール (プレビューアなど) もここに分類されます。 | |
python* | Python 言語関連のソフトウェア | |
ruby* | Ruby 言語関連のソフトウェア | |
russian | ロシア語サポート | |
science | astro や biology, math 等、 他のカテゴリにはあてはまらない科学関連の ports | |
security | セキュリティ関連のユーティリティ | |
shells | コマンドラインシェル | |
sysutils | システムユーティリティ | |
tcl76* | 実行に Tcl バージョン 7.6 を必要とする ports | |
tcl80* | 実行に Tcl バージョン 8.0 を必要とする ports | |
tcl81* | 実行に Tcl バージョン 8.1 を必要とする ports | |
tcl82* | 実行に Tcl バージョン 8.2 を必要とする ports | |
tcl83* | 実行に Tcl バージョン 8.3 を必要とする ports | |
textproc | テキスト処理ユーティリティ | DTP ツールはここではなく、print に分類されます。 |
tk42* | 実行に Tk バージョン 4.2 を必要とする ports | |
tk80* | 実行に Tk バージョン 8.0 を必要とする ports | |
tk81* | 実行に Tk バージョン 8.1 を必要とする ports | |
tk82* | 実行に Tk バージョン 8.2 を必要とする ports | |
tk83* | 実行に Tk バージョン 8.3 を必要とする ports | |
tkstep80* | 実行に TkSTEP バージョン 8.0 を必要とする ports | |
ukrainian | ウクライナ語サポート | |
vietnamese | ベトナム語サポート | |
windowmaker* | WindowMaker ウィンドウマネージャをサポートする ports | |
www | World Wide Web 関連のソフトウェア | HTML 言語サポートもここに分類されます。 |
x11 | X ウィンドウシステムとその関連ソフトウェア | このカテゴリは、 直接ウィンドウシステムをサポートするソフトウェアのみを対象とするものです。 通常の X アプリケーションをここに分類しないでください。 ほとんどは他の x11-* カテゴリ (下記参照) に分類されるべきです。 あなたの port が X アプリケーションで、 |
x11-clocks | X11 用時計 | |
x11-fm | X11 用ファイルマネージャ | |
x11-fonts | X11 フォントとフォントユーティリティ | |
x11-servers | X11 サーバ | |
x11-toolkits | X11 ツールキット | |
x11-wm | X11 ウィンドウマネージャ | |
zope* | Zope サポート |
5.3.3. 適切なカテゴリの選択
多くのカテゴリに重なるので、 どれを"第一"カテゴリにするかを決めなければならないことがたびたびあるでしょう。 これをうまく決めるルールがいくつかあります。 以下はその優先順のリストで、優先度の高いものから低いものの順に書いてあります。
言語特有のカテゴリがまず最初です。 たとえば日本語の X11 のフォントをインストールする port の場合、
CATEGORIES
行は japanese x11-fonts となるでしょう。より特徴的なカテゴリが、 一般的なカテゴリより優先されます。 たとえば、HTML エディタの場合は www editors となります。 これを逆順にはしないでください。 また、 port が irc, mail, mbone, news, security, www のいずれかに属する場合には net は暗黙のうちに含まれますので、入れるべきではありません。
x11 を第二カテゴリにするのは第一カテゴリが自然言語の場合のみにしてください。 特に X のアプリケーションには x11 を指定しないでください。
Emacs のモードは、 そのモードで対応しているアプリケーションと同じ ports カテゴリに置くようにして、 editors には置かないでください。 例えば、あるプログラミング言語のソースファイルを編集するための Emacs モードは、 lang に置くべきです。
もし、あなたの port が他のどのカテゴリにも属しない場合には misc にしてください。
もし、あなたがカテゴリについて自信が持てない場合には、 そのことを send-pr(1) する時に書き加えてください。 そうすればインポートする前にそれについて議論できます (もしあなたがコミッターであれば、 そのことを FreeBSD ports メーリングリスト に送って先に議論するようにしてください。 新しい port が間違ったカテゴリに import されて、 すぐ移動されることがあまりに多いのです。そうなると、 ソースリポジトリのマスターが不要で好ましくない膨れ方をしてしまいます。
5.4. 配布ファイル
Makefile の第二の部分では、 その port をビルドするためにダウンロードしなければならないファイルと、 それをどこからダウンロードできるか説明しています。
5.4.1. DISTNAME
DISTNAME
は製作者が決めたソフトウェアの名前です。 デフォルトでは DISTNAME
は ${PORTNAME}-${PORTVERSION}
になりますので、 必要にな場合だけ書き換えるようにしてください。 DISTNAME
は二つの場所でしか使われません。 一つ目は配布ファイルリスト (DISTFILES
) のデフォルト ${DISTNAME} ${EXTRACT_SUFX}
で、二つ目は配布ファイルが展開されるサブディレクトリ WRKSRC
のデフォルト work/${DISTNAME} です。
|
5.4.2. MASTER_SITES
元になる配布ファイルを指し示す、FTP/HTTP の URL のファイル名を除いた部分を MASTER_SITES
に設定します。 最後にスラッシュ (/) をつけることをお忘れなく!
このシステム上に配布ファイルが見つからなかった場合、 make
マクロは FETCH
を使ってこの変数に指定されたサイトから配布ファイルを取得しようとします。
このリストには、 できれば異なる大陸に存在する複数のサイトを入れておくことが推奨されています。 これにより、広域ネットワークのトラブルに対する耐性を高めることができます。 さらに私たちは、自動的に最も近いマスタサイトを判断して、 そこから取ってくるメカニズムの導入を計画しています。 複数のサイトがあれば、この取組を大きく助けることになります。
元になる tar ファイルが X-contrib や GNU, Perl CPAN 等の有名なアーカイブサイトに置かれている場合には、 MASTER_SITE_*
を使ってこれらのサイトを簡潔に (例えば MASTER_SITE_XCONTRIB
とか、 MASTER_SITE_PERL_CPAN
のように) 指定することができます。 MASTER_SITES
を これらの変数の一つにセットし、 サイト内でのパスを MASTER_SITE_SUBDIR
に指定するだけです。 以下に例を示します。
MASTER_SITES= ${MASTER_SITE_XCONTRIB} MASTER_SITE_SUBDIR= applications
これらの変数は /usr/ports/Mk/bsd.sites.mk で定義されています。 いつでも新しい項目が追加されて行きますので、 port を提出する前に このファイルの最新版を チェックするように心掛けてください。
ユーザは /etc/make.conf 中で MASTER_SITE_*
変数を上書きすることもできます。 そうすることで、これらの有名なアーカイブそのものではなく、 好みのミラーサイトを使用することができます。
5.4.3. EXTRACT_SUFX
配布ファイルが 1 つで、 圧縮方式を示すのに普通と異なる接尾辞を使っていたら、 EXTRACT_SUFX
を設定してください。
例えば、配布ファイルがより一般的な foo.tar.gz ではなく、 foo.tgz となっていたら、 次のように書きます。
DISTNAME= foo EXTRACT_SUFX= .tgz
USE_BZIP2
と USE_ZIP
変数を設定すると、EXTRACT_SUFX
は必要に応じて自動的に .bz2
または .zip
に設定されます。 どちらも設定されていなければ、EXTRACT_SUFX
は .tar.gz
に設定されます。
|
5.4.4. DISTFILES
時々、ダウンロードするファイルの名称が port の名称とまったく似ていないことがあります。たとえば、 source.tar.gz などと名づけられていることもあるでしょう。 ほかに、ソースコードがいくつかのアーカイブに分かれていて、 そのすべてをダウンロードしなければならないならないこともあります。
この場合、DISTFILES
に、ダウンロードしなければならないファイルすべてのリストを、 スペースで区切って設定してください。
DISTFILES= source1.tar.gz source2.tar.gz
明示的に設定されていない場合、 DISTFILES
は ${DISTNAME}${EXTRACT_SUFX}
に設定されます。
5.4.5. EXTRACT_ONLY
DISTFILES
の一部だけを展開すべき (例えば、一方がソースコードで、もう一方は圧縮されていない文書という) 場合、展開しなければならないファイル名を EXTRACT_ONLY
に設定してください。
DISTFILES= source.tar.gz manual.html EXTRACT_ONLY= source.tar.gz
どのDISTFILES
も展開すべきではないなら、 EXTRACT_ONLY
に空文字列を設定してください。
EXTRACT_ONLY=
5.4.6. PATCHFILES
その port が配布ファイルの他に FTP や HTTP で手に入る追加パッチを必要とする場合には、 PATCHFILES
にはそのパッチのファイル名を、 PATCH_SITES
にはそのファイルが置かれているディレクトリの URL をセットしてください。(書き方は MASTER_SITES
と同じです。)
そのパッチに記録されているファイル名に余計なパス名がついていて、 ソースツリーのトップディレクトリ (つまり WKRSRC
) からの相対パスになっていない場合には、 それに応じた PATCH_DIST_STRIP
を指定してください。 たとえば、パッチ内のすべてのファイル名の先頭に、余計な foozolix-1.0/
がついている場合には、 PATCH_DIST_STRIP=-p1
としてください。
これらのパッチは圧縮されていても大丈夫です。 ファイル名が .gz や .Z で終わる場合には、自動的に展開されるようになっています。
もしパッチが、ドキュメント等その他のファイルと一緒に gzip された tar ファイルで配布されている場合には、単に PATCHFILES
を使うだけではうまくいきません。 このような場合には、このパッチの tar ファイルの名前と場所を DISTFILES
と MASTER_SITES
に追加しておきます。 それから、EXTRA_PATCHES
変数にそれらのパッチを指定すれば、 bsd.port.mk が 自動的にパッチを適用してくれます。 特に注意が必要なのは、パッチファイルを PATCHDIR
ディレクトリにコピーしてはならないことです - (訳注: port が CD-ROM 上に置かれている等の場合には、) そのディレクトリには書き込みができないかもしれません。
それが普通の gzip か compress された tar ファイルであれば、 通常のソースファイルと一緒にパッチ適用時までに展開されていますので、 明示的に展開する必要はありません。 もしパッチを |
5.4.7. 異なるサイトやサブディレクトリからの複数の配布ファイルまたはパッチ (MASTER_SITES:n
)
(これはいささか"高度な話題"です。 この文書を初めて読む人は、 最初はこの節を飛ばしてもよいでしょう)。
この節は MASTER_SITES:n
や MASTER_SITES_NN
と呼ばれる取得方法について説明しています。 ここでは、この方式を MASTER_SITES:n
と呼びます。
まず、背景を少し説明しておきましょう。OpenBSD には、DISTFILES
と PATCHFILES
変数の両方に素敵な機能があります。ファイル、パッチの両方とも、 後ろに :n
(n
は [0-9]
のどれかになります) をつけてグループを指示できます。たとえば、
DISTFILES= alpha:0 beta:1
OpenBSD では、配布ファイル alpha は、通常の MASTER_SITES
ではなく MASTER_SITES0
に、 beta は MASTER_SITES1
に結び付けられます。
これは、正しいダウンロードサイトを際限なく探す羽目になるのを減らせる、 興味深い機能です。
DISTFILES
にファイルが 2 つ指定され、MASTER_SITES
が 20 サイトあって、サイトはものすごく遅く、 beta は MASTER_SITES
中のすべてのサイトに置かれていますが、 alpha は 20 番目のサイトにしかないという場合を考えてください。 メンテナがあらかじめそのことを知っていたら、 すべてのサイトを確認するのは無駄だと思いませんか? 楽しい週末のはじまりというわけにはゆきませんね。
イメージできたら、今度は DISTFILES
や MASTER_SITES
がもっと沢山あるのを想像してください。 "distfiles 調査マイスタ"は、 ネットワーク負荷が緩和されることを喜ぶに違いありません。
次節からは、FreeBSD におけるこのアイディアの実装について説明します。 OpenBSD の考え方を多少改良しています。
5.4.8. 簡単な説明
この節では、複数の配布ファイルやパッチを、 異なるサイトやサブディレクトリから細かく分けて取得する簡単な設定を示します。 ここでは、単純化した MASTER_SITES:n
の使い方を説明します。ほとんどの場面ではこれで十分です。 さらに詳しいことを知りたければ、次の節をお読みください。
アプリケーションによっては、 いくつもの異なるサイトからダウンロードする複数の配布ファイルからなっているものがあります。 たとえば、Ghostscript は、中核部のプログラムと、 ユーザのプリンタに応じて使い分けられる多数のドライバファイルからなっています。 このドライバファイルの一部は中核部と共に配布されますが、 多くはさまざまなサイトからダウンロードしなければなりません。
これに対応するため、DISTFILES
の各項目の後ろには、コロンと"タグ名" をつけられるようになっています。MASTER_SITES
に設定されているそれぞれのサイトの末尾にも、コロンと、 そのサイトからダウンロードすべきファイルを示すためのタグを加えます。
たとえば、ソースコードが source1.tar.gz と source2.tar.gz の 2 つに分けられていて、 2 つの別のサイトからダウンロードしなければならないアプリケーションを考えてみましょう。 その port の Makefile には、各サイトに 1 つファイルがある場合の、簡単な MASTER_SITES:n
の使用法 のような行があるとします。
MASTER_SITES:n
の使用法MASTER_SITES= ftp://ftp.example1.com/:source1 \ ftp://ftp.example2.com/:source2 DISTFILES= source1.tar.gz:source1 \ source2.tar.gz:source2
複数の配布ファイルに同じタグがついていてもかまいません。 先ほどの例に続いて、3 番目の配布ファイル source3.tar.gz があって、 ftp.example2.com
からダウンロードすべきだとしましょう。 Makefile は 各サイトに 1 つ以上ファイルがある場合の、簡単な MASTER_SITES:n
の使用法 のようになります。
MASTER_SITES:n
の使用法MASTER_SITES= ftp://ftp.example1.com/:source1 \ ftp://ftp.example2.com/:source2 DISTFILES= source1.tar.gz:source1 \ source2.tar.gz:source2 \ source3.tar.gz:source2
5.4.9. 詳しい説明
分かりました。 前節の例ではあなたの要求を満足できなかったわけですね。 この節では、ファイルの取得を細かく制御する仕組み MASTER_SITES:n
がどう働くかと、これを利用するために ports をどう変更すればよいかを詳しく説明します。
要素の末尾に
:n
をつけることができます。 ここで、n は` つまり、概念上はいかなる文字と数字からなる文字列でもよいのですが、 われわれとしては、当面は `[a-zA-Z_][0-9a-zA-Z_]
に制限します。さらに、文字列のマッチは大文字と小文字を区別します。 つまり、
n
とN
は別の文字として扱われます。:n
がついた要素は、グループn
に属し、:m
がついた要素は、グループm
に属するということになります。接尾辞がついていない要素はグループに属しません。 これは、特別なグループ
DEFAULT
に属しているとして扱われます。 要素の後ろにDEFAULT
をつけるのは、その要素をDEFAULT
とそれ以外のグループに同時に割り当てたいのでなければ、 冗長に過ぎません (5 の項を確認してください)。次の例はどちらも同じ意味ですが、 最初の方が好ましいです。
MASTER_SITES= alpha MASTER_SITES= alpha:DEFAULT
グループは相互排他ではありません。 ひとつの要素が同時に複数のグループに属することができ、 ひとつのグループには複数の要素が属することも、 何も割り当てないこともできます。 同じグループで何回も指定された要素は、 単に複数回指定された要素ということになります。
ある要素を同時にいくつものグループに所属させたい時は、 カンマ演算子 (
,
) が使えます。その都度別の接尾辞をつけて繰り返すかわりに、 一度だけ接尾辞を指定して複数のグループを指定できます。 たとえば、
:m,n,o
と書くと、その要素はグループm
,n
およびo
に属することを示します。以下の例はすべて同等ですが、 最後の形式がもっともよいでしょう。
MASTER_SITES= alpha alpha:SOME_SITE MASTER_SITES= alpha:DEFAULT alpha:SOME_SITE MASTER_SITES= alpha:SOME_SITE,DEFAULT MASTER_SITES= alpha:DEFAULT,SOME_SITE
任意のグループ内のサイトは、
MASTER_SORT_AWK
によって整列されます。MASTER_SITES
とPATCH_SITES
内のすべてのグループについても同様に整列されます。
グループの概念は、変数
MASTER_SITES
,PATCH_SITES
,MASTER_SITE_SUBDIR
,PATCH_SITE_SUBDIR
,DISTFILES
およびPATCHFILES
においても、下記の文法に従って使えます。MASTER_SITES
,PATCH_SITES
,MASTER_SITE_SUBDIR
およびPATCH_SITE_SUBDIR
のすべての要素はスラッシュ/
記号で終端されていなければなりません。 ある要素がどれかのグループに属しているなら、 グループの接尾辞:n
は、終端記号/
のすぐ後にこなければなりません。MASTER_SITES:n
の仕組みでは、終端記号/
があることで、:n
が要素の有効な一部である場合と、:n
がグループn
を示す場合の混同を避けることができます。 以前は、MASTER_SITE_SUBDIR
とPATCH_SITE_SUBDIR
要素のいずれにおいても終端記号/
は不要だったので、互換性を保つために、 接尾辞の直前の文字が/
でなければ、 要素の接尾辞が:n
であっても、 グループの接尾語ではなく、 要素の有効な一部分として扱われます。MASTER_SITE_SUBDIR
におけるMASTER_SITES:n
の詳細な使用法 と カンマ演算子、複数のファイル、複数のサイト、 複数のサブディレクトリと合わせたMASTER_SITES:n
の詳細な使用法 の両方をご覧ください。例 3.MASTER_SITE_SUBDIR
におけるMASTER_SITES:n
の詳細な使用法MASTER_SITE_SUBDIR= old:n new/:NEW
グループ
DEFAULT
に属するディレクトリ → old:nグループ
NEW
に属するディレクトリ → new
例 4. カンマ演算子、複数のファイル、複数のサイト、 複数のサブディレクトリと合わせたMASTER_SITES:n
の詳細な使用法MASTER_SITES= http://site1/%SUBDIR%/ http://site2/:DEFAULT \ http://site3/:group3 http://site4/:group4 \ http://site5/:group5 http://site6/:group6 \ http://site7/:DEFAULT,group6 \ http://site8/%SUBDIR%/:group6,group7 \ http://site9/:group8 DISTFILES= file1 file2:DEFAULT file3:group3 \ file4:group4,group5,group6 file5:grouping \ file6:group7 MASTER_SITE_SUBDIR= directory-trial:1 directory-n/:groupn \ directory-one/:group6,DEFAULT \ directory
上の例は、次のような細かく分けた取得を実現します。 サイトは、利用される順番で挙げられています。
file1 は次のサイトから取得されます。
MASTER_SITE_OVERRIDE
MASTER_SITE_BACKUP
file2 は、file1 と同じグループに属しているので、 まったく同じように取得されます。
MASTER_SITE_OVERRIDE
MASTER_SITE_BACKUP
file3 は次のサイトから取得されます。
MASTER_SITE_OVERRIDE
MASTER_SITE_BACKUP
file4 は次のサイトから取得されます。
MASTER_SITE_OVERRIDE
MASTER_SITE_BACKUP
file5 は次のサイトから取得されます。
MASTER_SITE_OVERRIDE
MASTER_SITE_BACKUP
file6 は次のサイトから取得されます。
MASTER_SITE_OVERRIDE
MASTER_SITE_BACKUP
MASTER_SITE_SOURCEFORGE
のように、bsd.sites.mk で定義される特別な変数をグループに割り当てるにはどうすればよいですか?例 5.MASTER_SITE_SOURCEFORGE
と合わせたMASTER_SITES:n
の詳しい使用法MASTER_SITES= http://site1/ ${MASTER_SITE_SOURCEFORGE:S/$/:sourceforge,TEST/} DISTFILES= something.tar.gz:sourceforge
something.tar.gz は、
MASTER_SITE_SOURCEFORGE
に含まれるあらゆるサイトから取得されます。これを
PATCH*
変数と組み合わせて使うにはどうすればよいでしょうか?すべての例で
MASTER*
変数を使っていますが、PATCH_SITES
と合わせたMASTER_SITES:n
の簡単な使用法 にあるように、PATCH*
変数に対してもまったく同じように働きます。例 6.PATCH_SITES
と合わせたMASTER_SITES:n
の簡単な使用法PATCH_SITES= http://site1/ http://site2/:test PATCHFILES= patch1:test
5.4.10. ports について何が変更され、何が変わらないのでしょうか?
現在のすべての ports はそのまま変わりません。
MASTER_SITES:n
機能のコードは、7 で述べた文法に従う:n
のような形式が後ろについた要素がある場合だけ動作します。
port を make する際のターゲットにも変更はありません。
checksum
,makesum
,patch
,configure
,build
等です。 もちろん、do-fetch
,fetch-list
,master-sites
それからpatch-sites
は例外です。do-fetch
は、新しくグループ分けの接尾辞のついたDISTFILES
とPATCHFILES
を設定します。それぞれが、対応するMASTER_SITES
とPATCH_SITES
を利用し、さらに対応するMASTER_SITE_SUBDIR
とPATCH_SITE_SUBDIR
を利用します。カンマ演算子、複数のファイル、複数のサイト、 複数のサブディレクトリと合わせたMASTER_SITES:n
の詳細な使用法 をご覧ください。fetch-list
は、do-fetch
と同じようにグループを利用するということを除いて、以前のfetch-list
のように動作します。master-sites
およびpatch-sites
は、 (古いバージョンと互換性がなくなり)DEFAULT
グループの要素を返すだけになっています。 実際は、それぞれmaster-sites-default
およびpatch-sites-default
というターゲットを実行します。さらに、
MASTER_SITES
やPATCH_SITES
を直接確認するよりも、master-sites-all
またはpatch-sites-all
のどちらかのターゲットを使う方がよいです。 また、将来のバージョンでも直接確認ができるかどうかは保証されていません。 これら新規 port ターゲットについては、B の項をご確認ください。
新規の port ターゲット
MASTER_SITES
およびPATCH_SITES
のそれぞれについて、 グループ n の要素を表示するmaster-sites-n
およびpatch-sites-n
ターゲットがあります。たとえば、master-sites-DEFAULT
およびpatch-sites-DEFAULT
のいずれもDEFAULT
グループの要素を返し、master-sites-test
およびpatch-sites-test
はtest
グループの要素を返します。
以前の
master-sites
およびpatch-sites
が行っていた作業を行うmaster-sites-all
およびpatch-sites-all
という新たなターゲットがあります。 これらのターゲットは、 すべてのグループの要素をすべてが同じグループに属しているかのように返します。 ただし、master-sites-all
およびpatch-sites-all
のそれぞれについて、DISTFILES
やPATCHFILES
で定義されているグループと同じ数だけMASTER_SITE_BACKUP
とMASTER_SITE_OVERRIDE
を表示します。
5.4.11. DIST_SUBDIR
/usr/ports/distfiles ディレクトリ内をあまり散らかさないようにしてください。 たくさんのファイルを取ってくる port や、他の port と名前の衝突が起きる恐れのあるファイル (Makefile など) がある場合には、 DIST_SUBDIR
に port の名前 (${PORTNAME}
か ${PKGNAMEPREFIX}${PORTNAME}
を使うといいでしょう) を入れてください。すると DISTDIR
がデフォルトの /usr/ports/distfiles から /usr/ports/distfiles/DIST_SUBDIR に変更され、 取ってきたファイルはすべてそのサブディレクトリの中に置かれるようになります。
また、 ファイルを取ってくるときにバックアップサイトとして使われる ftp.FreeBSD.org のディレクトリ名にもこの変数の値が使われます (Makefile
の中で DISTDIR
を明示的に指定した場合、 ローカルのファイルを置くところは変わりますが、 このサイトのディレクトリ名は変わりません。 必ず DIST_SUBDIR
を使うようにしてください)。
この変数は Makefile 中で明示的に指定された |
5.5. MAINTAINER
あなたのメールアドレスをここに入れてください。 お願いします。 :-)
MAINTAINER
の値は、コメント部のない単一のアドレスしか受け付けられません。 user@hostname.domain
という形式を利用してください。この項目には、 あなたの本名などの説明用のテキストは一切いれないでください。 (そうしても、ただ bsd.port.mk が混乱するだけです)。そういう情報は pkg-descr に書いてください。
保守担当者 (maintainer) の責任に関する詳細説明は、 Makefile 中の MAINTAINER の セクションを参照してください。
Port のメンテナがユーザからの更新要求に (主な公休日を除いて) 2 週間返答しなかったら、 保守担当者の持ち時間が切れたとみなして、 保守担当者の明示的な了承なしに更新して構いません。 保守担当者が 3 ヶ月以内に返答しない場合は、 その保守担当者は無断で不在にしているとみなして、 問題となっている port の保守担当者を入れ替えても構いません。 例外となるは、ports 管理チーム <portmgr@FreeBSD.org> または セキュリティオフィサチーム <security-officer@FreeBSD.org> が保守しているものです。このグループが保守している port に対しては許可を得ずにコミットしてはいけません。
ports 管理チーム <portmgr@FreeBSD.org> は、何か理由があれば、 誰かを保守担当から外したり、別の方を担当者にする権利を持ちます。 セキュリティオフィサチーム <security-officer@FreeBSD.org> は、セキュリティ上の理由で、 保守担当者の権限を剥奪したり担当者を変更する権利を持ちます。
5.6. COMMENT
その port の 1 行の説明です。 コメントにはパッケージ名 (やソフトウェアのバージョン) を入れないでください。 コメントは大文字で始め、最後にピリオドは付けないでください。 たとえば、こんな具合です。
COMMENT= A cat chasing a mouse all over the screen
Makefile 中で、 COMMENT 変数は MAINTAINER 変数の直後においてください。
COMMENT 行は、port の 1 行の要約としてユーザに示されるので、 70 文字未満に抑えるようにしてください。
5.7. 依存関係
多くの port は他の port に依存しています。 必要なものすべてがユーザのマシン上に存在することを 保証するために使用可能な、7 つの変数が用意されています。 よくあるケースのためにあらかじめ設定された依存変数に加え、 いくつかの依存関係の制御のための変数があります。
5.7.1. LIB_DEPENDS
その port が必要とする共有ライブラリを、この変数で指定します。 (訳注: libc 等、標準のライブラリは指定する必要がありません。) これは lib:dir:target
という 組のリストです。 lib が共有ライブラリの名前、 dir が そのライブラリが見つからない場合に インストールされる port のディレクトリ、 targetが そのディレクトリで呼ばれるターゲットです。 たとえば、
LIB_DEPENDS= jpeg.9:${PORTSDIR}/graphics/jpeg:install
と指定されていた場合、まずメジャーバージョンが 9 の jpeg 共有ライブラリがインストールされているかどうかを確認します。 インストールされていない場合には、ports ツリーの graphics/jpeg サブディレクトリに移動し、 target のコンパイルとインストールを行ないます。 target の部分は、 それが DEPENDS_TARGET
(デフォルトでは install
) と 等しいときには省略することができます。
先頭の lib の部分は |
この依存関係のチェックは、 extract
ターゲットと install
ターゲットの中で、2 回行なわれます。 (訳注: これは、その port をビルドするマシンとインストールされるマシンが違う場合、 どちらのマシンでもそのライブラリが利用できることを確認するためです)。 同様に、依存するライブラリの名前は package 中にも書き込まれていて、 pkg_add(1) 実行時にそのライブラリがユーザのシステムに存在していなければ、 自動的にインストールされます。
5.7.2. RUN_DEPENDS
この port の実行時に必要となるプログラム、 またはファイルがあるときにはこの変数で指定します。これは path:dir:target
という組のリストです。 path がファイルまたはプログラムの名前、 dir が それが見つからない場合にインストールされる port のディレクトリ、 target が そのディレクトリで呼ばれるターゲットです。 path の最初の文字がスラッシュ (/
) の場合にはファイルかディレクトリとみなし、 存在するかどうか test -e
を使ってチェックします。 そうでない場合には実行可能ファイルであると考えて、 そのプログラムがユーザのサーチパス上にあるかどうか which -s
を使って確認します。
たとえば Makefile に以下のように書いてあるとします。
RUN_DEPENDS= ${LOCALBASE}/etc/innd:${PORTSDIR}/news/inn \ wish8.0:${PORTSDIR}/x11-toolkits/tk80
まず、/usr/local/etc/innd というファイルかディレクトリが存在するか確認します。 存在しない場合には、ports ツリーの news/inn というサブディレクトリで ビルドとインストールを行ないます。 さらに、wish8.0
というプログラムがユーザのサーチパス中にあるかどうか探します。 ない場合には同じく ports ツリーの x11-toolkits/tk80 というサブディレクトリでコンパイルとインストールを行ないます。
この例で、 |
この依存関係は install
ターゲット中でチェックされます。 また、pkg_add(1) によるインストールの際に、その package が依存するものがユーザのシステムに存在しない場合には自動的に追加インストールできるように、 依存するものの名前も package 中に記録されます。 target の部分が DEPENDS_TARGET
と同じ場合には、 target の部分を省略することができます。
5.7.3. BUILD_DEPENDS
この port のビルド時に必要となるプログラム、 またはファイルがあるときにはこの変数で指定します。 RUN_DEPENDS
と同様に、これは path:dir:target
という組のリストです。たとえば、
BUILD_DEPENDS=unzip:${PORTSDIR}/archivers/unzip
と指定されていた場合、まず unzip
という名前のプログラムがインストールされているかどうかを確認します。 インストールされていない場合には ports ツリーの archivers/unzip サブディレクトリに移動し、 ビルドとインストールを行ないます。
ここで言う"ビルド"とは、 ファイルの展開からコンパイルまでのすべての処理を意味します。 この依存関係は、 |
5.7.4. FETCH_DEPENDS
この port を取ってくるのに必要となるプログラム、 またはファイルがあるときにはこの変数で指定します。 上の二つと同様に、これは path:dir:target
という組のリストです。たとえば、
FETCH_DEPENDS=ncftp2:${PORTSDIR}/net/ncftp2
と指定されていれば、ncftp2
という名前のプログラムを探します。 見つからない場合には、ports ツリーの net/ncftp2 サブディレクトリでビルドとインストールを行ないます。
この依存関係は fetch
ターゲット中でチェックされます。 target の部分は、 DEPENDS_TARGET
と同じ場合には省略することができます。
5.7.5. EXTRACT_DEPENDS
この変数には、この port の展開に必要な実行ファイルや、他のファイルを指定します。 前の変数と同じく、これは path:dir:target
のタプルの一覧です。たとえば、
EXTRACT_DEPENDS= unzip:${PORTSDIR}/archivers/unzip
は、unzip
という実行形式のファイルがあるかどうか確認し、 見つからなければ、ports ツリーの archivers/unzip サブディレクトリに降りてビルドおよびインストールを行います。
依存関係は extract
ターゲットにおいて確認されます。 target 部分が DEPENDS_TARGET
と同じなら、省いて構いません。
この変数は、展開が働いておらず (デフォルトでは |
5.7.6. PATCH_DEPENDS
この変数は、この port がパッチを当てる際に必要とする実行ファイルや他のファイルを指定します。 前の変数と同じく、これは path:dir:target
のタプルの一覧です。たとえば、
PATCH_DEPENDS= ${NONEXISTENT}:${PORTSDIR}/java/jfc:extract
は、ports ツリーの java/jfc サブディレクトリに移動して、 ビルドおよびインストールを行います。
依存関係は、patch
ターゲットにおいて確認されます。target 部分が DEPENDS_TARGET
と同じなら省略して構いません。
5.7.7. DEPENDS
上記のいずれにもあてはまらないような依存関係がある場合、 または他の port がインストールされているだけではなく ソースが展開されている必要がある場合には、この変数を使います。 これは上記の四つと違い、特に"確認"するものが ありませんので、 dir:target
という形式のリストになります。 target の部分は DEPENDS_TARGET
と同じ場合には省略することができます。
5.7.8. USE_*
多くの ports に共通の依存関係をカプセル化するために、 いくつもの変数が存在しています。
変数 | 意味 |
---|---|
| その port の tarball は |
| その port の tarball は |
| その port をビルドするのに |
| その port をビルドしてインストールするのに |
| その port は |
| その port のビルドに GNU |
| その port のビルドに GNU |
| その port のビルドに GNU |
|
|
| その port のビルドに |
| その port のビルドや実行に |
|
|
その ports が X Window System を必要とするのであれば、 USE_XLIB=yes
を定義してください (これは USE_IMAKE
が定義されていれば自動的に定義されます)。 BSD make
ではなく GNU make
を必要とする場合には USE_GMAKE=yes
を、 GNU autoconf を実行する必要がある場合には USE_AUTOCONF=yes
を、 最新の qt toolkit を使用する場合には USE_QT=yes
を、 perl
言語のバージョン 5 を必要とする場合には USE_PERL5=yes
を定義してください (特に最後のものは重要です。 FreeBSD のバージョンにより、基本システムに perl5
が含まれていたり、いなかったりします)。
5.7.9. 依存関係に関する注意
上で述べたように、依存する ports が必要になったときに呼ばれるデフォルトのターゲットは DEPENDS_TARGET
で、そのデフォルトは install
です。 これはユーザが使用する変数であり、 port の Makefile で定義するものではありません。 もし、その port が特別な方法で依存関係を扱う必要がある場合には、 DEPENDS_TARGET
を再定義するのではなく *_DEPENDS
変数の :target
部分を使用してください。
make clean
と入力したときには、 その port が依存する port も自動的に clean されます。 そうならないようにしたい場合には、 環境変数 NOCLEANDEPENDS
を設定してください。KDE, GNOME や Mozilla のように、再ビルドするのに時間がかかる port に依存している場合は特に望ましいかもしれません。
無条件に他の port に依存させるには、 BUILD_DEPENDS
や RUN_DEPENDS
の最初のフィールドに ${NONEXISTENT}
という変数を指定してください。 これは、他の port のソースが必要なときのみ使用してください。 ターゲットも指定することで、 コンパイルの時間を節約できる場合もあります。 たとえば
BUILD_DEPENDS= ${NONEXISTENT}:${PORTSDIR}/graphics/jpeg:extract
とすると、常に jpeg
port のディレクトリに行ってソースの展開を行ないます。
あなたがやりたいことが他の方法ではできない場合以外には DEPENDS
を使わないでください。 これは常に他の port の作成を行ない (さらにデフォルトでは インストールも行ない)、package まで作成します。 この動作が本当に所望のものでしたら、 それを BUILD_DEPENDS
と RUN_DEPENDS
に書くべきでしょう - 少なくとも意図を明確にすることができます。
5.7.10. オプション選択可能な依存ライブラリ
巨大なアプリケーションの中には、 複数のコンフィギュレーションでビルドすることができるものがあります。 つまり、いくつもの外部ライブラリやアプリケーションの中の、 あるものが利用可能な場合に、 それを拡張機能として使用するように設定することができるということです。 それらのライブラリやアプリケーションを、 必ずしも すべてのユーザが必要としているわけではありませんので、ports システムではどのコンフィギュレーションがビルドされるべきかを port 作者が決めるために使えるフックを用意しています。 これらを適切にサポートすることにより、ユーザをハッピーにしたり、 port 1 つ分のコストで 2 つまたはそれ以上の port を提供するのと同様の効率化を行なうことが可能です。
これらのフックのうちで最も簡単に使えるものは WITHOUT_X11
でしょう。 その port が X Window System のサポートありと、 サポートなしの設定でビルドできるのであれば、 通常は X Window System サポートありでビルドするべきでしょう。 ビルド時に WITHOUT_X11
が定義されていれば、 その時は X Window System サポートなしのバージョンが ビルドされるべきです。
GNOME 環境の様々なパーツも、そのようなノブ (フック) を持っていますが、それらは幾分使いにくいものです。 Makefile 中で その目的に使用される変数は WANT_*
と HAVE_*
になります。 そのアプリケーションが、 以下に示されている依存ライブラリの一つについて、 サポートあり、なしの両方でビルドできる場合、 Makefile には WANT_PKG
をセットする必要があります。 そして、ビルド時に HAVE_PKG
が定義されていれば PKG
を使うバージョンがビルドされることになります。
現在、このような形でサポートされている WANT_*
変数は、 WANT_GLIB
, WANT_GTK
, WANT_ESOUND
, WANT_IMLIB
, そして WANT_GNOME
です。
5.7.11. 致命的な依存の循環
Ports ツリーに循環する依存性を持ち込まないでください! |
Ports の構築技術は循環依存性を許容していません。 循環依存させてしまうと、たちまちどこかの誰かがインストールしている FreeBSD を駄目にしてしまい、その数はまたたく間に増えて行きます。 この問題は見付けるのが非常に難しいです。 問題がありそうな場合は、その変更を行う前に cd /usr/ports; make index
を実行するようにしてください。 この処理は古いマシンではかなり遅いかもしれませんが、 (あなたも含めて) 多くの人がその処理を行って嘆くことにならずに済ませられるでしょう。
5.8. 作業ディレクトリの指定
それぞれの port は作業ディレクトリに展開されるので、 作業ディレクトリは書き込み可能でなければなりません。 Ports システムは、デフォルトでは DISTFILES
が ${DISTNAME}
というディレクトリに展開されると想定します。 つまり、次のように設定していたら、
PORTNAME= foo PORTVERSION= 1.0
その port の配布ファイルの内容は、最上位のディレクトリが foo-1.0 で、 残りのファイルはそのディレクトリの下に置かれているということです。
そうでない場合に上書きできる変数がたくさんあります。
5.9. CONFLICTS
あなたが作成している package が他の packageと (ファイルの衝突や実行時の非互換性により) 共存できないのであれば、CONFLICTS
変数にその package の名称を挙げてください。 *
や ?
のようなシェルの補完が利用できます。package 名は /var/db/pkg にあるのと同じ形式で並べてください。
5.10. ビルドのメカニズム
そのソフトウェアがビルドの際に GNU make
を使う場合には、USE_GMAKE=yes
をセットしてください。 configure
を使う場合には、 HAS_CONFIGURE=yes
をセットしてください。 GNU configure
を使う場合には、 GNU_CONFIGURE=yes
をセットしてください (これにより HAS_CONFIGURE
もセットされます)。 configure
に追加の引数を渡したい場合には、 追加部分を CONFIGURE_ARGS
に指定してください。 (デフォルトの引数リストは、GNU configure
では --prefix=${PREFIX}
に、 GNU でない configure
では空リストになります。) GNU autoconf
を使う場合には、 USE_AUTOCONF=yes
をセットしてください。 これにより GNU_CONFIGURE
もセットされ、 configure
を実行する前に autoconf
が実行されます。
もしそのパッケージが GNU
|
そのソフトウェアが X Window System のアプリケーションなどで、 imake
を使って Imakefile から Makefile を作成する場合には、 USE_IMAKE=yes
を指定してください。 そうするとコンフィグレーションステージで自動的に xmkmf -a
が実行されます。 もし -a
フラグが問題を引き起こすなら、 さらに XMKMF=xmkmf
をセットしてください。 もし、その port が imake
を使用するけれども install.man
ターゲットを持たない場合には、 NO_INSTALL_MANPAGES=yes
をセットしてください。 ついでに、そのソフトウェアの作者を探し出して八つ裂きにするといいでしょう。 (--#)_
そのソフトウェアの元々の Makefile が all
以外のものをメインのターゲットとしている場合には、それを ALL_TARGET
に指定してください。 install
と INSTALL_TARGET
も同様です。
Chapter 6. 特別な配慮
port を作成する場合、 考慮しなくてはいけないことが他にもいくつかあります。 このセクションでは、それらのうちでも特によくあることについて説明します。
6.1. 共有ライブラリ
その port が共有ライブラリのインストールを行なう場合、 make 変数 INSTALLS_SHLIB
を定義してください。 これにより、bsd.port.mk が post-install
ターゲットの実行時に新しいライブラリがインストールされたディレクトリ (通常は PREFIX/lib) に ${LDCONFIG} -m
を実行し、 共有ライブラリキャッシュへの登録が行なわれるようになります。 また、この変数が定義されている場合、共有ライブラリを インストールしたユーザが それをすぐに使い始められるように、 また、削除の際には そのライブラリが まだ存在していると システムに誤認されないように、 適切な @exec /sbin/ldconfig -m
と @unexec /sbin/ldconfig -R
のペアが pkg-plist ファイルに 指定されているように扱われます。
必要であれば、 共有ライブラリがインストールされるディレクトリのリストを格納する make 変数 LDCONFIG_DIRS
を定義することにより、 新しいライブラリがインストールされるデフォルトの位置を上書きすることも可能です。 例えば、その port が共有ライブラリを PREFIX/lib/foo と PREFIX/lib/bar に インストールする場合、Makefile で以下の記述を使用することができます:
INSTALLS_SHLIB= yes LDCONFIG_DIRS= %%PREFIX%%/lib/foo %%PREFIX%%/lib/bar
pkg-plist の他の部分と同様に、 LDCONFIG_DIRS
の内容も sed(1) による処理が行なわれるため、ここでも PLIST_SUB
に指定した置換が行なわれることに注意してください。 PREFIX
には %%PREFIX%%
を、 LOCALBASE
には %%LOCALBASE%%
, X11BASE
には %%X11BASE%%
を使用することを推奨します。
6.2. 配布制限がある ports
ライセンスにはさまざまなものがあり、なかには、 アプリケーションをパッケージ化するやり方、営利目的で販売できるか、 といったことに制限をかけているものがあります。
port 作成者として、あなたには、使用許諾条件をよく読み、 FTP/HTTP または CD-ROM で再配布してはいけないソースコードやコンパイルされたバイナリを配布してしまい、 その責任が FreeBSD プロジェクトにかかってくることのないよう注意する義務があります。 疑わしい場合には FreeBSD ports メーリングリスト で聞いてみてください。 |
そのような場合、次の節で説明されている変数が設定できます。
|
6.2.1. NO_PACKAGE
この変数が設定されていたら、 このアプリケーションのバイナリパッケージを作成してはいけないということです。 ただし、この port の DISTFILES
は自由に配布できます。
また、NO_PACKAGE
は、バイナリパッケージが汎用的ではなく、 いつもアプリケーションをソースコードからコンパイルすべき場合にも利用すべきです。 たとえば、アプリケーションにサイト特有の設定情報がコンパイル時にハードコードされるような場合には、 NO_PACKAGE
を設定してください。
NO_PACKAGE
には、 パッケージを作成すべきではない理由を述べた文字列を設定すべきです。
6.2.2. NO_CDROM
この変数は、バイナリパッケージの作成は許可されていますが、 その package や port の DISTFILES
を販売用の CD-ROM (や DVD-ROM) に載せるのは許されていないことを表します。なんにせよ、 バイナリパッケージと port の DISTFILES
は、FTP/HTTP で入手できます。
NO_CDROM
には、その port が何故 CD-ROM で再配布できないか説明する文字列を設定するべきです。 これはたとえば、その port のライセンスが"非商用" 利用に限っている場合に使うべきです。
6.3. perl
の利用
変数 | 意味 |
---|---|
| その port のビルドと実行に |
| その port をビルドするのに |
| その port を実行するのに |
| システムまたは port からインストールされた |
| Perl の MakeMaker を使ってコンフィグレーションを行います。暗黙のうちに |
6.4. X11 の利用
| その port は |
| その port は X ライブラリを使用します。 |
| その port は Motif ツールキットを使用します。 |
| その port は |
|
|
6.5. automake
, autoconf
および libtool
の利用
変数 | 意味 |
---|---|
| その port は |
|
|
| その port は |
|
|
|
|
| GNU |
| GNU |
| GNU |
| その port が |
| その port が |
| GNU |
|
|
| この変数で指定された |
| GNU |
| GNU |
| GNU |
| GNU |
| その port は |
|
|
|
|
|
|
6.6. GNOME の利用
FreeBSD/GNOME プロジェクトは、ある特定の port が使っている GNOME コンポーネントを特定するために 独自の変数群を使っています。 FreeBSD/GNOME プロジェクトのページに その変数のわかりやすい一覧 があります。
6.7. KDE の利用
| その port は Qt ツールキットを使用します。 設定できる値は、 |
| その port は KDE ライブラリを使用します。 設定できる値は、 |
| その port は KDE base を使用します。 設定できる値は、 |
|
|
| Qt のコードを処理する際の |
6.9. Java の利用
あなたが作成している port の構築、実行、 または配布ファイルの展開に Java™ 開発キット (JDK) が必要なら、USE_JAVA
を定義してください。
Ports Collection には、さまざまなベンダの JDK のいろいろなバージョンがあります。 あなたが作成している port がその中のいずれかのバージョンを使わなければならないなら、 どれを使うか指定できます。最新のバージョンは、 java/jdk14 です。
変数 | 意味 |
---|---|
| この後の変数を有効にするには、 この変数を定義しなければなりません。 |
| スペースで区切られた、適合する Java のバージョン一覧。 |
| スペースで区切られた、その port に適合する JDK port の OS 一覧。(使える値は、 |
| スペースで区切られた、その port に適合する JDK port のベンダの一覧。(使える値は、 |
| この変数が設定されていると、選択した JDK を、その port の構築依存性に追加します。 |
| この変数が設定されていると、選択した JDK を、その port の実行依存性に追加します。 |
| この変数が設定されていると、選択した JDK を、その port の展開依存性に追加します。 |
| その port の構築に |
以下は、USE_JAVA
を設定した port で行われる設定の一覧です。
変数 | 値 |
---|---|
| JDK port の名称 (例: |
| JDK の完全なバージョン (例: |
| JDK port が利用する OS (例: |
| JDK port のベンダ (例: |
| JDK port が利用する OS の説明 (例: |
| JDK port のベンダの説明 (例: |
| JDK がインストールされているディレクトリのパス (例: '/usr/local/jdk1.3.1')。 |
| 使用する Java コンパイラのパス (例: '/usr/local/jdk1.1.8/bin/javac' または '/usr/local/bin/jikes')。 |
| 使用する |
|
|
|
|
|
|
|
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|
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|
| RMI スタブ/スケルトンジェネレータ |
| RMI レジストリプログラム |
| RMI デーモンプログラム |
| JDK クラスファイルが入っているアーカイブへのパス。 JDK 1.2 以降では、これは ${JAVA_HOME}/jre/lib/rt.jar です。 それより前の JDK は、 ${JAVA_HOME}/lib/classes.zip を使います。 |
Port のデバッグ情報を得るのに、 java-debug
make ターゲットが使えます。 これは、前述の変数の多くについて値を表示します。
6.13. SDL の利用
USE_SDL
変数は、 devel/sdl12 や x11-toolkits/sdl_gui など、SDL ベースの ports への依存を自動設定するのに使われます。
今のところ、次の SDL ライブラリが認識されます。
sdl: devel/sdl12
gfx: graphics/sdl_gfx
gui: x11-toolkits/sdl_gui
image: graphics/sdl_image
ldbad: devel/sdl_ldbad
mixer: audio/sdl_mixer
mm: devel/sdlmm
net: net/sdl_net
sound: audio/sdl_sound
ttf: graphics/sdl_ttf
したがって、ある port が net/sdl_net と audio/sdl_mixer に依存していたら、構文は次のようになります。
USE_SDL= net mixer
net/sdl_net と audio/sdl_mixer が必要とする devel/sdl12 の依存も自動的に追加されます。
USE_SDL
を使うと、以下のことが自動的に行われます。
BUILD_DEPENDS
に sdl11-config への依存を追加します。CONFIGURE_ENV
にSDL_CONFIG
変数を追加します。LIB_DEPENDS
に選択したライブラリへの依存を追加します。
SDL ライブラリが利用できるかどうか調べるためには、 WANT_SDL
変数を使ってください。
WANT_SDL=yes .include <bsd.port.pre.mk> .if ${HAVE_SDL:Mmixer}!="" USE_SDL+= mixer .endif .include <bsd.port.post.mk>
Chapter 7. MASTERDIR
その port の変数 (たとえば解像度とか紙のサイズなど) を 変えたりした、少しだけ違うバージョンを作成する必要があるときには、 ユーザが分りやすいように package ごとに別々のサブディレクトリを作成し、 できるだけ port 間でファイルを共有するようにしてください。 ほとんどの場合、うまく変数を使えば、一つを除くすべてのディレクトリには とても短い Makefile を置くだけで済みます。 その短い Makefile では、 MASTERDIR
を使って、 残りのファイルがあるディレクトリを指定できます。 また、PKGNAMESUFFIX
の 一部に変数に使って、package が別々の名前を持つようにしてください。
具体的な例を示すのが一番わかりやすいでしょう。 これは japanese/xdvi300/Makefile の一部です。
PORTNAME= xdvi PORTVERSION= 17 PKGNAMEPREFIX= ja- PKGNAMESUFFIX= ${RESOLUTION} : # default RESOLUTION?= 300 .if ${RESOLUTION} != 118 && ${RESOLUTION} != 240 && \ ${RESOLUTION} != 300 && ${RESOLUTION} != 400 @${ECHO} "Error: invalid value for RESOLUTION: \"${RESOLUTION}\"" @${ECHO} "Possible values are: 118, 240, 300 (default) and 400." @${FALSE} .endif
japanese/xdvi300 には Makefile の他に通常のパッチや、 package ファイル等が置かれています。 このディレクトリで make
を実行すると、 デフォルトの解像度 (300) を使って、 普通に port のビルドを行ないます。
他の解像度に関していうと、 xdvi118/Makefile に 必要なのは_これだけ_です:
RESOLUTION= 118 MASTERDIR= ${.CURDIR}/../xdvi300 .include "${MASTERDIR}/Makefile"
(xdvi240/Makefile や xdvi400/Makefile も同様のものになります)。 bsd.port.mk は、 MASTERDIR
の定義から FILESDIR
や SCRIPTDIR
等の 通常のサブディレクトリが xdvi300 以下に存在することを理解します。 RESOLUTION=118
の行が、 xdvi300/Makefile の RESOLUTION=300
の行を上書きし、 port は解像度を 118 として作成されます。
Chapter 8. 共有ライブラリのバージョン
まず共有ライブラリのバージョンについての指針を読んで、 一般的に共有ライブラリのバージョンをどうすれば良いかを理解してください。 ソフトウェアの作者は自分がしていることを理解していると、 盲目的に信じていてはいけません。多くの場合は理解していないのです。 細部にわたって注意深く考慮することは大変重要です。なぜなら我々は、 互換性がないかもしれない大量のソフトウェアを共存させようとする特殊な状況にあるからです。 むかし、不注意な port の導入が共有ライブラリに関する重大な問題を引き起してしまったことがあります (なぜ jpeg-6b の共有ライブラリのバージョン番号が 9 なのか、今まで不思議に思ったことはありませんか?)。 もし疑問があれば、FreeBSD ports メーリングリスト にメールを送ってください。 ほとんどの時間は正しい共有ライブラリのバージョンを決めることと、 それを実現するためのパッチを作成することに終始します。
Chapter 9. マニュアルページ
MAN[1-9LN]
変数に指定したマニュアルは 自動的に pkg-plist に追加されます (つまり、マニュアルを pkg-plist に加えてはいけません- pkg-plist の生成を参照してください)。 また、/etc/make.conf 中の NOMANCOMPRESS
の設定に従って、インストール時に マニュアルを自動的に圧縮したり復元したりします。
その port が、シンボリックリンクやハードリンクを用いて、 複数のファイル名を持つマニュアルをインストールする場合には、 それらを識別するために MLINKS
変数を使用しなければなりません。 port によってインストールされたリンクは、 意図したファイルをきちんと指しているかどうか確認するため、 bsd.port.mk によって削除されたり、 再作成されたりします。 MLINKS に指定されたマニュアルも、 pkg-plist に含めてはいけません。
マニュアルをインストール時に圧縮するかどうかを指定するには、 MANCOMPRESSED
変数を使用します。 この変数は yes
, no
そして maybe
の三つの値をとることができます、 yes
はマニュアルが既に圧縮されてインストールされていること、 no
は圧縮されていないこと、 maybe
は既にそのソフトウェアが NOMANCOMPRESS
の値に従っていて、 bsd.port.mk は特別なにもする必要がないことを意味します。
USE_IMAKE
がセットされていて、 NO_INSTALL_MANPAGES
がセットされていなければ、 MANCOMPRESSED
は自動的に yes
に設定されます。それ以外の場合には、MANCOMPRESSED
は no
に設定されます。 その port にとって、デフォルトの設定が適切でない場合以外には、 明示的に設定する必要はありません。
PREFIX
以外のディレクトリの下にマニュアルを置くような port では、そのディレクトリを MANPREFIX
で指定することができます。 さらに、いくつかの perl
モジュールの ports のように、 特定のセクションのマニュアルだけを非標準の場所にインストールする場合、 個々のマニュアルのパスを MAN_sect_PREFIX
(ここで sect は 1-9
, L
, または N
のいずれか) により指定することができます。
マニュアルが言語特有のサブディレクトリに置かれる場合には、 その言語名を MANLANG
に設定してください。 この変数のデフォルト値は ""
になっています (つまり、英語のみ)。
これは、全部をまとめた例です。
MAN1= foo.1 MAN3= bar.3 MAN4= baz.4 MLINKS= foo.1 alt-name.8 MANLANG= "" ja MAN3PREFIX= ${PREFIX}/shared/foobar MANCOMPRESSED= yes
これは、この port により以下の 6 個のファイルがインストールされることを表しています。
${PREFIX}/man/man1/foo.1.gz ${PREFIX}/man/ja/man1/foo.1.gz ${PREFIX}/shared/foobar/man/man3/bar.3.gz ${PREFIX}/shared/foobar/man/ja/man3/bar.3.gz ${PREFIX}/man/man4/baz.4.gz ${PREFIX}/man/ja/man4/baz.4.gz
さらに ${PREFIX}/man/man8/alt-name.8.gz がこの port によってインストールされるかどうかわかりませんが、 それとは無関係に foo(1) と alt-name(8) のマニュアルページを指すシンボリックリンクが作成されます。
Chapter 10. Motif を必要とする port
コンパイルに Motif ライブラリを必要とするアプリケーションがいくつかあります (Motif 自体は有料のものがいくつかの会社から手に入りますし、 x11-toolkits/lesstif には多くのアプリケーションを動作させることが可能な無料の互換ライブラリもあります)。 Motif は広く使われているツールキットですし、 有料のもののライセンスでもライブラリを静的にリンクした実行形式の再配布が認められている場合が多いので、 Motif を必要とするソフトウェアを簡単に (port からコンパイルする人々のために) 動的にでも、 (package を配布する人々のために) 静的にでもリンクできるような仕組みが用意されています。
10.1. USE_MOTIF
Motif が無いとコンパイルできない port の Makefile では、この変数を指定してください。 これにより、Motif を持っていない人がこの port をコンパイルしようとするのを未然に防ぎます。
10.2. MOTIFLIB
この変数は bsd.port.mk によって適当な Motif ライブラリの指定に置き換えられます。Port のソースの Makefile や Imakefile で Motif ライブラリを参照しているところを、 この変数を参照するようにパッチを適用してください。
代表的な例としては以下の二つがあげられます:
Makefile か Imakefile の中で Motif ライブラリが
-lXm
として使われている場合には、 かわりにMOTIFLIB
と書いてください。Imakefile の中で
XmClientLibs
が使われている場合には、それを${MOTIFLIB} ${XTOOLLIB} ${XLIB}
と書きかえてください。
なお MOTIFLIB
は通常、 -L/usr/X11R6/lib -lXm
か /usr/X11R6/lib/libXm.a
に置き換えられます。 したがって前に -L
や -l
をつける必要はありません。
Chapter 11. X11 のフォント
もし、あなたの port が X Window System のフォントをインストールするのであれば、 それらを X11BASE/lib/X11/fonts/local に置くようにしてください。このディレクトリは XFree86 3.3.3 で新設されたものです。 このディレクトリが存在しなければ作成して、ユーザに XFree86 を 3.3.3 かそれより新しいものに更新するか、 少なくともこのディレクトリを /etc/XF86Config のフォントパスに加えるように促すメッセージを出力するようにしてください。
Chapter 12. Info ファイル
あなたが作成している package で GNU info ファイルをインストールする必要があれば、それを INFO
変数に (後ろの .info
なしで) 書いてください。package 登録の前に一時的に生成された pkg-plist に、 適切なインストールおよびアンインストールコードが自動的に追加されます。
Chapter 13. pkg-* ファイル
pkg-* ファイルには、 まだ取り上げていない何かと重宝なトリックがいくつかあります。
13.1. pkg-message
もしインストールする人にメッセージを表示する必要がある場合には、 そのメッセージを pkg-message に置くことができます。 この機能は pkg_add(1) の後の追加のインストール手続きを表示するときなどに重宝します。
pkg-message ファイルは pkg-plist に加える必要はありません。 また、もしユーザが package ではなく port を使用している場合には自動的には表示されませんので、 明示的に |
13.2. pkg-install
バイナリパッケージが pkg_add(1) でインストールされるときに実行する必要のあるコマンドがあれば、 pkg-install スクリプトを使って実行することができます。 このスクリプトは自動的に package に加えられ、 pkg_add(1) によって 2 回実行されます。 1 回目は ${SH} pkg-install ${PKGNAME} PRE-INSTALL
として、2 回目には ${SH} pkg-install ${PKGNAME} POST-INSTALL
として実行されます。 どちらのモードで実行されているかは $2
を調べることによってわかります。 環境変数 PKG_PREFIX
には package がインストールされるディレクトリが設定されます。 詳細は pkg_add(1) を見てください。
port を |
13.3. pkg-deinstall
このスクリプトは package が削除される際に実行されます。
このスクリプトは、pkg_delete(1) から 2 回実行されます。1 回目は ${SH} pkg-install ${PKGNAME} DEINSTALL
と、2 回目は ${SH} pkg-install ${PKGNAME} POST-DEINSTALL
という形で実行されます。
13.4. pkg-req
(訳注: 実行されるマシンの状態に応じて) その port をインストールするべきか、そうでないかを判断する必要があるときには、 "要件 (requirements)" スクリプト pkg-req を作ることができます。 インストールや削除を実行すべきかどうか判断するために、 このスクリプトがインストールや削除を実行する際に自動的に実行されます。
このスクリプトはインストール時には pkg_add(1) により pkg-req ${PKGNAME} INSTALL
として実行され、 削除時には pkg_delete(1) により pkg-req ${PKGNAME} DEINSTALL
として 実行されます。
13.5. make の変数にあわせた pkg-plist の変更
いくつかの port、特に p5-
ports などは、configure のオプション (あるいは、p5-
の場合は perl
のバージョン) によって pkg-plist を変える必要があります。 これを容易に実現するために pkg-plist 中の %%OSREL%%
, %%PERL_VER%%
, %%PERL_VERSION%%
は適切に置き換えられるようになっています。 %%OSREL%%
の値はオペレーティングシステムの数字で表されたリビジョンです (たとえば 4.9
)。 %%PERL_VERSION%%
は perl
のバージョン番号全体 (たとえば 5.00502
) で、%%PERL_VER%%
は perl
のバージョン番号からパッチレベルを引いたものです (たとえば 5.005
)。
他の置き換えが必要であれば、PLIST_SUB
変数に VAR=VALUE
という形式のペアのリストを設定することによって、 pkg-plist 中の %%VAR%%
は VALUE に置き換えられます。 たとえばバージョンに固有のたくさんのファイルをインストールする場合には、 Makefile に
OCTAVE_VERSION= 2.0.13 PLIST_SUB= OCTAVE_VERSION=${OCTAVE_VERSION}
と書いて、PLIST 中のバージョン番号が表われるすべてのところに、 %%OCTAVE_VERSION%%
と書きます。 このようにしておけば、port をアップグレードするときに、 何十行 (時として、何百行) も pkg-plist を書き替えないですみます。
この書き換えは (マニュアルの追加も) pre-install
と do-install
ターゲットの間に pkg-plist
を読み TMPPLIST
(デフォルトは WRKDIR/.PLIST.mktmp) に書き込むことによって行なわれます。 もし、あなたの port が PLIST
を実行時に生成するのであれば、 pre-install
の間かその前に行なうようにしてください。 また、書きかえられたあとのファイルを編集する必要がある場合には、 post-install
で TMPPLIST
を書きかえてください。
13.6. pkg-* ファイルの名前変更
pkg-* ファイルの名前はすべて変数を使用して定義されていますので、 必要であれば Makefile 中で変更可能です。 いくつかの ports で一つの pkg-* ファイルを共有する場合や、 上記のファイルに書き込みをしなければならないときなど特に便利です (pkg-* サブディレクトリに直接書き込むのが良くない理由については WRKDIR
以外への書きこみ を参照してください)。
以下に変数名と そのデフォルト値のリストを示します。 (PKGDIR
のデフォルト値は ${MASTERDIR}
になっています。)
変数名 | デフォルト値 |
---|---|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
PKG_ARGS
を上書きせずにこれらの変数を変更するようにしてください。 PKG_ARGS
を変更すると、これらのファイルは port から正しく /var/db/pkg にインストールされなくなります。
Chapter 14. port のテスト
14.1. portlint
送付や commit をする前に portlint
を使ってチェックしましょう。
14.2. PREFIX
なるべく port は PREFIX
に対する相対パスにインストールすることができるように心がけてください (この変数の値は USE_X_PREFIX
か USE_IMAKE
が指定してある時には X11BASE
(デフォルトは /usr/X11R6)、 そうでない場合にはLOCALBASE
(デフォルトは /usr/local) にセットされます)。
サイトによってフリーソフトウェアがインストールされる場所が違いますので、 ソース内で /usr/local や /usr/X11R6 を明示的に書かないようにしてください。 X のプログラムで imake
を使うものについては、 これは問題にはなりません。 それ以外の場合には port の scripts/Makefile で /usr/local (imake を使わない X のプログラムは /usr/X11R6) と書いてあるところを、 ${PREFIX}
に書き換えてください。 この値は port のコンパイルおよび、 インストールの全段階において、自動的に下位のプロセスに渡されます。
そのアプリケーションが PREFIX
を 使用しないで、何かを直接 /usr/local に インストールしないことを確認してください。 以下のようにすると、簡単なテストを行なうことができます:
# make clean; make package PREFIX=/var/tmp/port-name
この時、もし PREFIX
の外に 何かがインストールされていた場合、package 生成プロセスは ファイルが見つからないと文句を言うはずです。
ただし、これは そのソフトウェアが内部で決め打ちの参照を していないかどうか だとか、他の port によってインストールされる ファイルを参照する際に LOCALBASE
を 正しく使用しているかどうかをテストしているわけではありません。 その port を他の場所にインストールした状態で、 /var/tmp/port-name に 対するインストールを試みることにより、 そのテストをすることができるでしょう。
USE_X_PREFIX
は本当に必要な時 (つまり X のライブラリをリンクしたり、X11BASE
以下にある ファイルを参照したりする必要がある時) 以外には 設定しないでください。
変数 PREFIX
の値は port の Makefile やユーザの環境で変更することもできます。 しかし、個々の port が Makefile でこの変数の値を明示的に設定することはなるべくしないでください。
また、他の port によりインストールされるプログラムや ファイルを指定する場合には、直接的なパス名を使用するのではなく 上で述べた変数を使用してください。 たとえば less
のフルパスを PAGER
というマクロに入れたい場合は、 -DPAGER=\"/usr/local/bin/less\"
というフラグをコンパイラに渡すかわりに
-DPAGER=\"${PREFIX}/bin/less\"
(X Window System を使う port の場合には
-DPAGER=\"${LOCALBASE}/bin/less\"
) を渡してください。 こうしておけば、システム管理者が /usr/local を まるごと どこか他の場所に移していたとしても、その port が そのまま使える可能性が高くなります。
14.3. FreshPorts 正当性テスト
http://www.FreshPorts.org/ には、FreeBSD ports へ commit されたものについて、 自動的に正当性テストを行う仕組みがあります。 このサービスに登録すると、あなたが commit したものについて、 正当性テストでエラーが起きると連絡が行きます。
このサービスを利用したい場合、必要なのは FreshPorts のアカウントだけです。登録したメールアドレスが @FreeBSD.org
のものであれば、 ウェブページの右側にサービスを選択するリンクがあるはずです。 FreshPorts にアカウントを持っていても @FreeBSD.org
のメールアドレスを利用していない場合、メールアドレスを @FreeBSD.org
に変え、登録したあとで、 メールアドレスをまた変更してください。
Chapter 15. アップグレード
port のバージョンが原作者からのものに比べて古いことに気がついたら、 まずはあなたの持っている port が私たちの最新のもの (最新の port は FreeBSD FTP ミラーサイトの ports/ports-current というディレクトリにあります) であることを確認してください。 また、Ports Collection 全体を最新の状態に保つために CVSup を利用することもできます。 詳しくは FreeBSD ハンドブックをご覧ください。
次に port の Makefile に MAINTAINER
(保守担当者) のアドレスが書いてある場合には、その人にメールを出してみましょう。 保守担当者の人がすでにアップグレードの準備をしているかも知れませんし、 (新しいバージョンの安定度に問題があるなど) あえてアップグレードをしない理由があるのかも知れません。 その人たちと作業を重複させたくはないでしょう。 なお、保守されていない ports は、保守担当者が ports@FreeBSD.org
になっています。その場合は、 そのアドレスにメールを送っても役に立たないでしょう。
保守担当者にアップグレードをしてくれと頼まれた場合、 あるいは、保守担当者が ports@FreeBSD.org
の場合は、あなたがアップグレードをしてくださると助かります。 その場合にはアップグレードを作成した後、 変更前と変更後のディレクトリの再帰的 diff
の出力結果を保存してください (たとえば変更前のディレクトリが superedit.bak という名前でとってあり、変更後のものが superedit に入っているなら、 diff -ruN superedit.bak superedit
の結果を保存してください)。 unified または context diff のどちらでも構いませんが port のコミッターは一般に unified diff の方を好むようです。 -N
オプションの使い方を覚えておいてください。 これは、新たにファイルが追加されたり、 古いファイルが削除された場合を diff が正しく扱えるようにする方法です。わたしたちに差分を送る前に、 すべての変更が正しくなされているか出力結果を確認してください。
差分を送る一番良い方法は send-pr(1) (カテゴリは ports
) に diff の出力結果を添えて、わたしたちに送ってもらうのが一番良いです。 commit する際に CVS に明確に記述しなければならないので、 あなたがその port のメンテナになるなら、概要 (synopsis) 行の先頭に [maintainer update]
と記入し、PR の "Class" を maintainer-update
にしてください。 付け加えたり削除したりしたファイルがあればそれについて書いておいてください。 もし diff の大きさが 20 KB 程度を超えるようであれば、 圧縮したものを uuencode してください。 そうでなければそのまま PR に入れるだけで構いません。
最後に、役に立つ障害報告の書き方について詳しいことは、 障害報告についての記事の 障害報告の書き方の節を読んでください。
更新の動機が、セキュリティ上の問題や、 現在 commit されている port に重大な欠陥である場合は、 ports 管理チーム <portmgr@FreeBSD.org> に連絡して、あなたの port のパッケージをただちに作りなおして再配布するように要求してください。 そうしないと、無防備な pkg_add(1) のユーザたちが、何週間にもわたって |
Chapter 16. やっていいことといけないこと
16.1. はじめに
このセクションではソフトウェアを port する上で、 良くある落し穴などについて説明します。 このリストを使ってあなた自身が作成した port のチェックはもとより、 さらに障害報告データベース にある他の人が提出した port のチェックもできます。 PR データベースにある、 他の人が作成した port のチェックもできます。 あなたがチェックした port についてのコメントをバグ報告と一般的な論評にしたがって送ってください。 PR データベースにある port をチェックすることは、 わたしたちがそれらを commit するのを早めるとともに、 何をしているかをあなたが理解していることも証明します。
16.2. バイナリの strip
バイナリは特に必要がなければ、手動で strip しないでください。 すべてのバイナリは strip すべきですが、 INSTALL_PROGRAM
マクロがバイナリのインストールと strip を同時に行います (次節をご覧ください)。
ファイルを strip する必要はあるものの INSTALL_PROGRAM
マクロを使いたくない場合は、 ${STRIP_CMD}
でプログラムを strip できます。 これは、多くの場合 post-install
ターゲット内で行われます。たとえば
post-install: ${STRIP_CMD} ${PREFIX}/bin/xdl
インストールされた実行形式がすでに strip されているかどうかは file
コマンドで確認できます。 "not stripped" と表示されなければ strip されていることを示しています。 さらに、strip(1) はすでに strip されたプログラムは strip せず、問題なく終了します。
16.3. INSTALL_*
マクロ
あなた自身の *-install
ターゲットでファイルの正しいモードとオーナを保証するために、 必ず bsd.port.mk で提供されているマクロを使用してください。
${INSTALL_PROGRAM}
は実行可能なバイナリをインストール (し、その過程で strip 処理)するコマンドです。${INSTALL_SCRIPT}
は実行可能なスクリプトをインストールするコマンドです。${INSTALL_DATA}
は共有可能なデータをインストールするコマンドです。${INSTALL_MAN}
はマニュアルとその他の文書をインストールするコマンドです (圧縮はしません)。
これらは基本的に install
コマンドに適切なフラグを与えたものです。 それらは distfile の Makefile で、頭に "BSD_" が付けられた (つまり BSD_INSTALL_PROGRM というような) 形で使うことができます。 どのようにこれらを使用するかは以下の例を見てください。
16.4. WRKDIR
WRKDIR
の外に存在するファイルには何も書き込んではいけません。 port のビルド中に書き込み可能なことが保証されているのは WRKDIR
の中だけです (書き込み不可のツリー上での port ビルドの例については、 CDROM からの ports のインストール を参照のこと)。 pkg-* ファイルを変更する必要があるときには、 ファイルを上書きするのではなく 変数の再定義により 行なうようにしてください。
16.5. WRKDIRPREFIX
WRKDIRPREFIX
を尊重していることを確認してください。特に、別の port の WRKDIR
を参照しているときには気を付けてください。 正しい場所は、 WRKDIRPREFIXPORTSDIR/subdir/name/work です。 PORTSDIR/subdir/name/work や .CURDIR/../../subdir/name/work ではありません。
また、 自分で WRKDIR
定義するときには先頭に ${WRKDIRPREFIX}${.CURDIR}
が付いていることを確認してください。
16.6. OS の種類やバージョンの識別
どのバージョンの Unix で動かすかによって、 変更や条件つきコンパイルが必要なコードに出くわすこともあるでしょう。 そのような変更を行なう場合には、 古い FreeBSD システムへのバックポートや、 CSRG の 4.4BSD, BSD/386, 386BSD, NetBSD, OpenBSD 等、 他の BSD システムへの移植が可能なように、 できるだけ汎用的な変更を行なうことを心がけてください。
4.3BSD/Reno (1990) と、それより新しいバージョンの BSD コードを区別するには、 <sys/param.h> で定義されている BSD
マクロを利用するのがよいでしょう。 このファイルがすでにインクルードされていれば良いのですが、 そうでない場合には、その .c ファイルの 適当な場所に以下のコードを追加してください。
#if (defined(__unix__) || defined(unix)) && !defined(USG) #include <sys/param.h> #endif
これらの二つのシンボルが定義されているシステムには必ず sys/param.h があるはずです。 もしそうでないシステムを発見したら、 FreeBSD ports メーリングリスト までメールを送ってわたしたちに伝えてください。
あるいは、GNU Autoconf のスタイルを使用することもできます。
#ifdef HAVE_SYS_PARAM_H #include <sys/param.h> #endif
この方法を使用するときには、 Makefile 中の CFLAGS
に -DHAVE_SYS_PARAM_H
を加えることを忘れないようにしてください。
いったん sys/param.h がインクルードされると、
#if (defined(BSD) && (BSD >= 199103))
このようにしてそのコードが 4.3 Net2 コードベース、 またはそれより新しいもの (例: FreeBSD 1.x, 4.3/Reno, NetBSD 0.9, 386BSD, BSD/386 1.1 とそれ以前) の上でコンパイルされているかを検出できます。
#if (defined(BSD) && (BSD >= 199306))
これは、4.4コードベース、またはそれより新しいもの (例: FreeBSD 2.x, 4.4, NetBSD 1.0, BSD/386 2.0 とそれ以後) の上でコンパイルされているかどうかを検出するために使用します。
4.4BSD-Lite2 コードベースでは BSD
マクロの値は 199506
になっています。 これは参考程度の意味合いしかありません。 4.4-Lite ベースの FreeBSD と 4.4-Lite2 での変更がマージされたバージョンとを区別するのに使用するべきものではありません。 この目的のためにはかわりに {freebsd} マクロを使用してください。
以下は控え目に使ってください。
{freebsd} はFreeBSDのすべての版で定義されています。 変更が FreeBSD だけに適用されるとき以外は使用しないでください。 port でよくある
strerror()
ではなくsys_errlist[]
を使うなどは FreeBSDでの変更ではなく BSD の流儀です。FreeBSD 2.xでは {freebsd} が
2
と定義されています。 それ以前の版では1
になっています。 その後の版でもメジャー番号に合うように上げています。もし FreeBSD 1.x システムと FreeBSD 2.x 以降のシステムを区別する必要があれば、 上で述べた
BSD
マクロを使用するのが大抵の場合において正しい答です。 もし FreeBSD 特有の変更であれば (ld
を使うときの共有ライブラリ用のオプションなど)、 {freebsd}を使い#if {freebsd} > 1
のようにFreeBSD 2.x および、 それ以降のシステムを検出するのはかまいません。 もし 2.0-RELEASE 以降の FreeBSD システムを細かく検出したければ、 以下を使用することができます。#if __FreeBSD__ >= 2 #include <osreldate.h> # if __FreeBSD_version >= 199504 /* 2.0.5+ release specific code here */ # endif #endif
これまで、何百もの port が作られてきましたが、 {freebsd} が正しく使われたのは一つか二つの場合だけでしょう。 以前の port が間違ってふさわしくない場所で そのマクロを使っているからといって、 それをまねする理由はありません。
16.7. __FreeBSD_version の値
以下は、sys/param.h で定義されている __FreeBSD_version
の便利な一覧です。
Release | __FreeBSD_version |
---|---|
2.0-RELEASE | 119411 |
2.1-CURRENT | 199501, 199503 |
2.0.5-RELEASE | 199504 |
2.1 以前の 2.2-CURRENT | 199508 |
2.1.0-RELEASE | 199511 |
2.1.5 以前の 2.2-CURRENT | 199512 |
2.1.5-RELEASE | 199607 |
2.1.6 以前の 2.2-CURRENT | 199608 |
2.1.6-RELEASE | 199612 |
2.1.7-RELEASE | 199612 |
2.2-RELEASE | 220000 |
2.2.1-RELEASE | 220000 (変更なし) |
2.2.1-RELEASE 以降の 2.2-STABLE | 220000 (変更なし) |
texinfo-3.9 以降の 2.2-STABLE | 221001 |
top 導入以降の 2.2-STABLE | 221002 |
2.2.2-RELEASE | 222000 |
2.2.2-RELEASE 以降の 2.2-STABLE | 222001 |
2.2.5-RELEASE | 225000 |
2.2.5-RELEASE 以降の 2.2-STABLE | 225001 |
ldconfig -R マージ以降の 2.2-STABLE | 225002 |
2.2.6-RELEASE | 226000 |
2.2.7-RELEASE | 227000 |
2.2.7-RELEASE 以降の 2.2-STABLE | 227001 |
semctl(2) 変更以降の 2.2-STABLE | 227002 |
2.2.8-RELEASE | 228000 |
2.2.8-RELEASE 以降の 2.2-STABLE | 228001 |
mount(2) 変更以前の 3.0-CURRENT | 300000 |
mount(2) 変更以降の 3.0-CURRENT | 300001 |
semctl(2) 変更以降の 3.0-CURRENT | 300002 |
ioctl 引数変更以降の 3.0-CURRENT | 300003 |
ELF 化以降の 3.0-CURRENT | 300004 |
3.0-RELEASE | 300005 |
3.0-RELEASE 以降の 3.0-CURRENT | 300006 |
3/4 の分岐以降の 3.0-STABLE | 300007 |
3.1-RELEASE | 310000 |
3.1-RELEASE 以降の 3.1-STABLE | 310001 |
C++ コンストラクタ/デストラクタ順序変更の後の 3.1-STABLE | 310002 |
3.2-RELEASE | 320000 |
3.2-STABLE | 320001 |
バイナリ互換性のない IPFW とソケットの変更後の 3.2-STABLE | 320002 |
3.3-RELEASE | 330000 |
3.3-STABLE | 330001 |
libc に mkstemp(3) が追加された後の 3.3-STABLE | 330002 |
3.4-RELEASE | 340000 |
3.4-STABLE | 340001 |
3.5-RELEASE | 350000 |
3.5-STABLE | 350001 |
3.4 が分岐した後の 4.0-CURRENT | 400000 |
dynamic linker の変更後の 4.0-CURRENT | 400001 |
C++ コンストラクタ/デストラクタ順序変更の後の 4.0-CURRENT | 400002 |
dladdr(3) 機能追加後の 4.0-CURRENT | 400003 |
__deregister_frame_info dynamic linker のバグ修正、 EGCS 1.1.2 導入後の 4.0-CURRENT | 400004 |
suser(9) の API 変更、newbus 化 以降の 4.0-CURRENT | 400005 |
cdevsw 登録方法の変更後の 4.0-CURRENT | 400006 |
ソケットレベルの証明書 (credential) のために so_cred が追加された後の 4.0-CURRENT | 400007 |
libc_r への poll syscall ラッパー追加後の 4.0-CURRENT | 400008 |
kernel の | 400009 |
jail(2) のセキュリティホール 修正後の 4.0-CURRENT | 400010 |
| 400011 |
システムコンパイラを gcc 2.95.2 にアップグレードした 後の 4.0-CURRENT | 400012 |
動的組み込み可能な Linux モードの ioctl ハンドラが 追加された後の 4.0-CURRENT | 400013 |
OpenSSL 導入後の 4.0-CURRENT | 400014 |
GCC 2.95.2 の C++ ABI 変更で、 デフォルトを -fvtable-thunks から -fno-vtable-thunks に 変更した後の 4.0-CURRENT | 400015 |
OpenSSH 導入後の 4.0-CURRENT | 400016 |
4.0-RELEASE | 400017 |
4.0-RELEASE 以降の 4.0-STABLE | 400018 |
チェックサム計算タイミングの変更後の 4.0-STABLE | 400019 |
libxpg4 が libc にマージされた後の 4.0-STABLE | 400020 |
Binutils を 2.10.0 にアップグレードし、 ELF バイナリのマーク付け (branding) 方法を変更し、 tcsh をベースシステムに導入した後の 4.0-STABLE | 400021 |
4.1-RELEASE | 410000 |
4.1-RELEASE 以降の 4.1-STABLE | 410001 |
setproctitle(3) が libutil から libc に 移動した後の 4.1-STABLE | 410002 |
4.1.1-RELEASE | 411000 |
4.1.1-RELEASE 以降の 4.1.1-STABLE | 411001 |
4.2-RELEASE | 420000 |
libgcc.a と libgcc_r.a の結合および、関連する GCC linkage 変更が行なわれた後の 4.2-STABLE | 420001 |
4.3-RELEASE | 430000 |
wint_t 導入後の 4.3-STABLE | 430001 |
PCI パワーステート API マージ後の 4.3-STABLE | 430002 |
4.4-RELEASE | 440000 |
d_thread_t 導入後の 4.4-STABLE | 440001 |
マウント構造変更 (ファイルシステム kld に影響あり) 後の 4.4-STABLE | 440002 |
smbfs のユーザランド部が取り込まれた後の 4.4-STABLE | 440003 |
4.5-RELEASE | 450000 |
usb の構成要素の名称が変更された後の 4.5-STABLE | 450001 |
rc.conf(5) の | 450004 |
package 作成のデフォルトを XFree86 4 に移行した後の 4.5-STABLE | 450005 |
accept filter が修正され、 簡単なサービス妨害攻撃には影響を受けなくなった後の 4.5-STABLE | 450006 |
4.6-RELEASE | 460000 |
sendfile(2) をドキュメントに適合するよう修正して、 送信されたいかなるヘッダも、 ファイルから送信されたデータの総量に合計しないようにした 4.6-STABLE | 460001 |
4.6.2-RELEASE | 460002 |
4.6-STABLE | 460100 |
| 460101 |
多くの新たな pkg_install の機能を HEAD から MFC した後の 4.6-STABLE | 460102 |
4.7-RELEASE | 470000 |
4.7-STABLE | 470100 |
sF の代わりに std{in,out,err}p 参照生成を開始。 これは、std{in,out,err} をコンパイル時の定数から、 ランタイムに変更します。 | 470101 |
m_aux mbuf を m_tag で置き換える mbuf の変更を MFC した後の 4.7-STABLE | 470102 |
OpenSSL 0.9.7 導入後の 4.7-STABLE | 470103 |
4.8-RELEASE | 480000 |
4.8-STABLE | 480100 |
realpath(3) がスレッドセーフになった後の 4.8-STABLE | 480101 |
4.8-STABLE における twe の 3ware API の変更 | 480102 |
4.9-RELEASE | 490000 |
4.9-STABLE | 490100 |
構造体 kinfo_eproc に e_sid が追加された後の 4.9-STABLE | 490101 |
rtld に libmap 機能を MFC した後の 4.9-STABLE | 490102 |
4.10-RELEASE | 491000 |
5.0-CURRENT | 500000 |
ELF ヘッダフィールドの追加と ELF バイナリのマーク付け (branding) 方法の変更後の 5.0-CURRENT | 500001 |
kld メタデータ変更後の 5.0-CURRENT | 500002 |
buf/bio 変更後の 5.0-CURRENT | 500003 |
binutils アップグレード後の 5.0-CURRENT | 500004 |
libxpg4 コードの libc へのマージと、 TASKQ インターフェイスの導入後の 5.0-CURRENT | 500005 |
AGP インターフェイス追加後の 5.0-CURRENT | 500006 |
Perl を 5.6.0 にアップグレードした後の 5.0-CURRENT | 500007 |
KAME コードを 2000/07 版のソースに更新した後の 5.0-CURRENT | 500008 |
ether_ifattach() および ether_ifdetach() 変更後の 5.0-CURRENT | 500009 |
mtree のデフォルトをオリジナルの変種に戻し、 シンボリックリンクをたどる -L オプションを追加した後の 5.0-CURRENT | 500010 |
kqueue API 変更後の 5.0-CURRENT | 500011 |
setproctitle(3) が libutil から libc へ移動した後の 5.0-CURRENT | 500012 |
最初の SMPng がコミットされた後の 5.0-CURRENT | 500013 |
<sys/select.h> が <sys/selinfo.h> に 移動した後の 5.0-CURRENT | 500014 |
libgcc.a と libgcc_r.a の結合および関連する GCC linkage 変更が行なわれた後の 5.0-CURRENT | 500015 |
libc と libc_r の混合リンクを許し、 -pthread オプションを deprecate する 変更後の 5.0-CURRENT | 500016 |
mountd 等が使用する kernel-exported API の 安定化のため、ucred 構造体から xucred 構造体へ 移行した後の 5.0-CURRENT | 500017 |
CPU 依存の最適化を制御するための make 変数 CPUTYPE が追加された後の 5.0-CURRENT | 500018 |
<machine/ioctl_fd.h> が <sys/fdcio.h> に移動した後の 5.0-CURRENT | 500019 |
ロケール名変更の後の 5.0-CURRENT | 500020 |
Bzip2 導入後の 5.0-CURRENT。 また、S/Key が削除されていることも示す。 | 500021 |
SSE サポート後の 5.0-CURRENT | 500022 |
KSE マイルストーン 2 以降の 5.0-CURRENT | 500023 |
d_thread_t 導入、および UUCP を ports に移動した後の 5.0-CURRENT | 500024 |
64 ビットプラットホーム上のデスクリプタおよび cred 受け渡し ABI 変更後の 5.0-CURRENT | 500025 |
package 作成のデフォルトを XFree86 4 に移行し、libc に新たに strnstr() 関数を追加した後の 5.0-CURRENT | 500026 |
libc に新たに strcasestr() 関数を追加した後の 5.0-CURRENT | 500027 |
smbfs のユーザランド部が取り込まれた後の 5.0-CURRENT | 500028 |
C99 の新しい特定サイズの整数型追加後の 5.0-CURRENT | 500028 (変更なし) |
sendfile(2) の戻り値が変更された後の 5.0-CURRENT | 500029 |
ファイルフラグにふさわしいサイズの | 500030 |
usb の構成要素の名称が変更された後の 5.0-CURRENT | 500031 |
Perl 5.6.1 導入後の 5.0-CURRENT | 500032 |
rc.conf(5) の | 500033 |
mtx_init() に 3 番目の引数が加わった後の 5.0-CURRENT | 500034 |
GCC 3.1 が取り込まれた 5.0-CURRENT | 500035 |
/usr/src に Perl がなくなった 5.0-CURRENT | 500036 |
dlfunc(3) 追加後の 5.0-CURRENT | 500037 |
構造体 sockbuf のメンバの型が一部変更され、順序が変更された後の 5.0-CURRENT | 500038 |
ヘッダで BSD_FOO_T の使用をやめ、 _FOO_T_DECLARED を使うようになった後の 5.0-CURRENT。 また、この変数は bzip2(1) パッケージに対応したことが確実な目安としても使えます。 | 500039 |
ディスクラベルの内部構造の依存性を除く名目で行われた、 ディスク関連の機能へのさまざまな変更を加えた後の 5.0-CURRENT | 500040 |
libc に getopt_long(3) を加えた後の 5.0-CURRENT | 500041 |
Binutils 2.13 にアップグレードした後の 5.0-CURRENT。このアップグレードには、新たな FreeBSD の emulation, vec および出力形式が含まれている。 | 500042 |
libc に pthread_XXX への弱いスタブを追加し、 libXThrStub.so が obsolete になった後の 5.0-CURRENT。 5.0-RELEASE | 500043 |
RELENG_5_0 が分岐した後の 5.0-CURRENT | 500100 |
<sys/dkstat.h> は空なので include すべきではない | 500101 |
d_mmap_t インターフェイス変更後の 5.0-CURRENT | 500102 |
taskqueue_swi が Giant ロック無しで実行され、 Giant ロックされて実行される taskqueue_swi_giant が追加された後の 5.0-CURRENT | 500103 |
cdevsw_add() と cdevsw_remove() はもう存在しません。 MAJOR_AUTO 割り当て機能が登場しました | 500104 |
cdevsw の新たな初期化方法が導入された後の 5.0-CURRENT | 500105 |
devstat_add_entry() が devstat_new_entry() に置き換えられました | 500106 |
Devstat のインターフェイス変更。 sys/sys/param.h 1.149 を参照のこと | 500107 |
トークンリングインターフェイスの変更 | 500108 |
vm_paddr_t の追加 | 500109 |
realpath(3) がスレッドセーフになった後の 5.0-CURRENT | 500110 |
usbhid(3) が NetBSD と同期した後の 5.0-CURRENT | 500111 |
新たな NSS 実装と POSIX.1 準拠の getpw*_r, getgr*_r 関数が導入後の 5.0-CURRENT | 500112 |
古い rc システムを削除した後の 5.0-CURRENT | 500113 |
5.1-RELEASE | 501000 |
RELENG_5_1 が分岐した後の 5.1-CURRENT | 501100 |
sigtimedwait(2) と sigwaitinfo(2) の動作を修正した後の 5.1-CURRENT | 501101 |
bus_dma_tag_create(9) に lockfunc と lockfuncarg フィールドを追加した後の 5.1-CURRENT | 501102 |
GCC 3.3.1-pre 20030711 snapshot 導入後の 5.1-CURRENT | 501103 |
5.1-CURRENT における twe の 3ware API の変更 | 501104 |
/bin と /sbin がダイナミックリンクされ、 ライブラリを /lib に移動した 5.1-CURRENT | 501105 |
Coda 6.x のカーネルサポートを追加した後の 5.1-CURRENT | 501106 |
16550 UART 定数を <dev/sio/sioreg.h> から <dev/ic/ns16550.h> に移動した後の 5.1-CURRENT。 また、rtld が 無条件で libmap 機能をサポートした時点。 | 501107 |
PFIL_HOOKS API を更新した後の 5.1-CURRENT | 501108 |
kiconv(3) を追加した後の 5.1-CURRENT | 501109 |
cdevsw の open および close のデフォルトの操作を変更した後の 5.1-CURRENT | 501110 |
cdevsw のレイアウトを変更した後の 5.1-CURRENT | 501111 |
kobj の多重継承を追加した後の 5.1-CURRENT | 501112 |
構造体 ifnet の if_xname が変更された後の 5.1-CURRENT | 501113 |
/bin と /sbin をダイナミックリンクに変更した後の 5.1-CURRENT | 501114 |
5.2-RELEASE | 502000 |
5.2.1-RELEASE | 502010 |
RELENG_5_2 が分岐した後の 5.2-CURRENT | 502100 |
cxa_atexit/cxa_finalize 関数が libc に追加された後の 5.2-CURRENT | 502101 |
デフォルトの pthread ライブラリを libc_r から libpthread に変更した後の 5.2-CURRENT | 502102 |
デバイスドライバ API の大規模パッチをあてた後の 5.2-CURRENT | 502103 |
getopt_long_only() が追加された後の 5.2-CURRENT | 502104 |
C に対して NULL が ((void *)0) になり、warning をより多く出すようになった 5.2-CURRENT | 502105 |
pf がビルドおよびインストールされるようになった後の 5.2-CURRENT | 502106 |
sparc64 で time_t を 64 ビットの値に変更した後の 5.2-CURRENT | 502107 |
一部のヘッダで Intel C/C++ に対応し、 execve(2) をより厳密に POSIX に適合させた後の 5.2-CURRENT | 502108 |
bus_alloc_resource_any API 導入後の 5.2-CURRENT | 502109 |
UTF-8 ロケール追加後の 5.2-CURRENT | 502110 |
getvfsent(3) API を削除した後の 5.2-CURRENT | 502111 |
make に .warning 命令を追加した後の 5.2-CURRENT | 502112 |
(2.2-STABLE は 2.2.5-RELESE 以後、 "2.2.5-STABLE" と呼ばれることがあります。) 見てのとおりこれは年・月というフォーマットになっていましたが、 バージョン 2.2 からより直接的にメジャー/マイナー番号を使うように変更になりました。 並行していくつかのブランチ (枝分かれしたバージョン) を開発する場合には、 リリースされた日付でそれらのリリースを分類することが不可能だからです (あなたが今 port を作成するときに、古い -CURRENT 達について心配する必要はありません。 これは参考のために挙げられているに過ぎないからです)。 |
16.8. bsd.port.mk の後に書くこと
.include <bsd.port.mk>
の行の後には何も書かないようにしてください。 大抵の場合は Makefile の中程のどこかで bsd.port.pre.mk をインクルードして、 最後に bsd.port.pre.mk をインクルードすることによって避けることができます。
bsd.port.pre.mk/bsd.port.post.mk のペアか bsd.port.mk だけのどちらかだけをインクルードし、二つを混ぜないでください。 |
前者はいくつかの変数の定義だけをして Makefile でのテストに使用し、後者は残りを定義します。
以下は bsd.port.pre.mk で定義される重要な変数です (これは、すべてではありません。 完全なリストは bsd.port.mk を参照してください)。
変数名 | 解説 |
---|---|
|
|
|
|
| オペレーティングシステムのリリースバージョン (例、 |
| 数字形式のオペレーティングシステムのバージョン、 上記の |
| システムのオブジェクトフォーマット ( |
| "local" ツリーのベース。 (例、 |
| "X11" ツリーのベース。 (例、 |
| ports のインストール先 ( |
|
以下は bsd.port.pre.mk の後に書けるものの例です。
# no need to compile lang/perl5 if perl5 is already in system .if ${OSVERSION} > 300003 BROKEN= perl is in system .endif # only one shlib version number for ELF .if ${PORTOBJFORMAT} == "elf" TCL_LIB_FILE= ${TCL_LIB}.${SHLIB_MAJOR} .else TCL_LIB_FILE= ${TCL_LIB}.${SHLIB_MAJOR}.${SHLIB_MINOR} .endif # software already makes link for ELF, but not for a.out post-install: .if ${PORTOBJFORMAT} == "aout" ${LN} -sf liblinpack.so.1.0 ${PREFIX}/lib/liblinpack.so .endif
BROKEN=
と TCL_LIB_FILE=
の後にスペースではなくタブを使うことを覚えていましたか? :-)
16.9. 付加的な文書のインストール
普通のマニュアルや info ファイルの他にユーザにとって有用だと思えるような文書がある場合には、 PREFIX/shared/doc の下にインストールしてください。 これは前記と同様 post-install
ターゲットの中から行なうと良いでしょう。
まず、あなたの port のために新しいディレクトリを作ります。 どの port の文書か簡単にわかるような名前にする必要がありますので、 普通は PORTNAME
を使うと良いでしょう。 もちろん、ユーザが異なるバージョンのものを同時に使うことが予想される port の場合には PKGNAME
をそのまま使っても構いません。
ユーザが /etc/make.conf でこの部分を禁止するために NOPORTDOCS
という変数をセットしている場合には、 これらの文書がインストールされないようにしてください。 こんな具合です。
post-install: .if !defined(NOPORTDOCS) ${MKDIR} ${DOCSDIR} ${INSTALL_MAN} ${WRKSRC}/docs/xvdocs.ps ${DOCSDIR} .endif
ここでは、変数をいくつかと、それを Makefile で利用した時にどう展開されるかを説明します。
${DATADIR}
は ${PREFIX}/shared/${PORTNAME} に展開されます。${DOCSDIR}
は ${PREFIX}/shared/doc/${PORTNAME} に展開されます。${EXAMPLESDIR}
は ${PREFIX}/shared/examples/${PORTNAME} に展開されます。
文書ファイルおよびディレクトリはすべて pkg-plist の中に %%PORTDOCS%%
を頭につけて書く必要があります。 たとえば、次のようにしてください。
%%PORTDOCS%%%%DOCSDIR%%/AUTHORS %%PORTDOCS%%%%DOCSDIR%%/CONTACT %%PORTDOCS%%@dirrm %%DOCSDIR%%
インストール時に pkg-message ファイルを利用してメッセージを表示することができます。詳細は pkg-message を使う のセクションを参照してください。
pkg-message ファイルを pkg-plist に加える必要はありません。 |
16.10. ディレクトリ構成
インストール時には PREFIX
の正しいサブディレクトリにファイルを置くように心がけてください。 ソフトウェアによっては新しいディレクトリを一つ作って、 ファイルを全部それに入れてしまうものがありますが、 それは良くありません。 また、バイナリ、ヘッダファイルとマニュアル以外のすべてを lib というディレクトリに入れてしまう port もありますが、これも BSD 的なファイルシステム構成とはうまく合いません。 これは以下のように分散すべきです。 etc にセットアップ/コンフィグレーションファイル、 libexec に内部で使用されるプログラム (コマンドラインから呼ばれることのないコマンド)、 sbin に管理者用のコマンド、 info に GNU Info 用の文書、 そして share にアーキテクチャに依存しないファイルが入ります。 詳細については hier(7) を参照してください。 /usr の構成方針はほとんどそのまま /usr/local にもあてはまります。 USENET "ニュース"を扱う ports は例外です。 これらはファイルのインストール先として PREFIX/news を使用します。
16.11. 空のディレクトリの削除
ports は削除の際に、 自分自身を消去したあとに (ディレクトリの) 削除をするようにしてください。 これは大抵の場合 @dirrm
の行を ports が作成するすべてのディレクトリについて加えることによって実現できます。 親ディレクトリは子ディレクトリを先に消さないと消せないことに注意してください。
: lib/X11/oneko/pixmaps/cat.xpm lib/X11/oneko/sounds/cat.au : @dirrm lib/X11/oneko/pixmaps @dirrm lib/X11/oneko/sounds @dirrm lib/X11/oneko
といった感じです。
しかし時として、 他の port とディレクトリを共有しているために @dirrm
がエラーを返すことがあります。 rmdir
を @unexec
から呼びだすことによって、 警告(warning)なしで空のディレクトリのみを削除することができます。
@unexec rmdir %D/shared/doc/gimp 2>/dev/null || true
これを使えば、たとえ他の port がファイルをインストールしていて PREFIX/shared/doc/gimp が空でない場合でもエラーメッセージは表示されませんし、 pkg_delete(1) が異常終了することもありません。
16.12. UID
あなたの port が、 インストールされるシステム上に特定のユーザを必要とする場合は pkg-install スクリプトから pw
コマンドを実行して自動的にそのユーザを追加するようにしてください。 net/cvsup-mirror の port が参考になるでしょう。
あなたの port がバイナリの package としてインストールされる場合とコンパイルされる場合の両方で、 同じユーザー/グループ ID を使わなければならないのなら、50 から 999 の間で空いている UID を選んで登録してください。 japanese/Wnn6 の port が参考になるでしょう。
既にシステムや他の port で利用されている UID を使わないように十分注意してください。
現在の 50 から 999 までの間の UID は以下のとおりです。
bind:*:53:53:Bind Sandbox:/:/sbin/nologin majordom:*:54:54:Majordomo Pseudo User:/usr/local/majordomo:/nonexistent cyrus:*:60:60:the cyrus mail server:/nonexistent:/nonexistent gnats:*:61:1:GNATS database owner:/usr/local/shared/gnats/gnats-db:/bin/sh proxy:*:62:62:Packet Filter pseudo-user:/nonexistent:/nonexistent uucp:*:66:66:UUCP pseudo-user:/var/spool/uucppublic:/usr/libexec/uucp/uucico xten:*:67:67:X-10 daemon:/usr/local/xten:/nonexistent pop:*:68:6:Post Office Owner (popper):/nonexistent:/sbin/nologin wnn:*:69:7:Wnn:/nonexistent:/nonexistent pgsql:*:70:70:PostgreSQL pseudo-user:/usr/local/pgsql:/bin/sh oracle:*:71:71::0:0:Oracle:/usr/local/oracle7:/sbin/nologin ircd:*:72:72:IRC daemon:/nonexistent:/nonexistent ircservices:*:73:73:IRC services:/nonexistent:/nonexistent ifmail:*:75:66:Ifmail user:/nonexistent:/nonexistent www:*:80:80:World Wide Web Owner:/nonexistent:/sbin/nologin alias:*:81:81:QMail user:/var/qmail/alias:/nonexistent qmaild:*:82:81:QMail user:/var/qmail:/nonexistent qmaill:*:83:81:QMail user:/var/qmail:/nonexistent qmailp:*:84:81:QMail user:/var/qmail:/nonexistent qmailq:*:85:82:QMail user:/var/qmail:/nonexistent qmailr:*:86:82:QMail user:/var/qmail:/nonexistent qmails:*:87:82:QMail user:/var/qmail:/nonexistent mysql:*:88:88:MySQL Daemon:/var/db/mysql:/sbin/nologin vpopmail:*:89:89:VPop Mail User:/usr/local/vpopmail:/nonexistent firebird:*:90:90:Firebird Database Administrator:/usr/local/firebird:/bin/sh mailman:*:91:91:Mailman User:/usr/local/mailman:/sbin/nologin gdm:*:92:92:GDM Sandbox:/:/sbin/nologin jabber:*:93:93:Jabber Daemon:/nonexistent:/nonexistent p4admin:*:94:94:Perforce admin:/usr/local/perforce:/sbin/nologin interch:*:95:95:Interchange user:/usr/local/interchange:/sbin/nologin squeuer:*:96:96:SQueuer Owner:/nonexistent:/bin/sh mud:*:97:97:MUD Owner:/usr/local/shared/dgd:/bin/sh msql:*:98:98:mSQL-2 pseudo-user:/var/db/msqldb:/bin/sh rscsi:*:99:99:Remote SCSI:/usr/local/rscsi:/usr/local/sbin/rscsi squid:*:100:100:squid caching-proxy pseudo user:/usr/local/squid:/sbin/nologin quagga:*:101:101:Quagga route daemon pseudo user:/usr/local/etc/quagga:/sbin/nologin ganglia:*:102:102:Ganglia User:/nonexistent:/sbin/nologin sgeadmin:*:103:103:Sun Grid Engine Admin:/nonexistent:/sbin/nologin slimserv:*:104:104:Slim Devices SlimServer pseudo-user:/nonexistent:/sbin/nologin fido:*:111:111:Fido System:/usr/local/fido:/bin/sh postfix:*:125:125:Postfix Mail System:/var/spool/postfix:/sbin/nologin rbldns:*:153:153:rbldnsd pseudo-user:/nonexistent:/sbin/nologin sfs:*:171:171:Self-Certifying File System:/nonexistent:/sbin/nologin agk:*:172:172:AquaGateKeeper:/nonexistent:/nonexistent ldap:*:389:389:OpenLDAP Server:/nonexistent:/sbin/nologin drweb:*:426:426:Dr.Web Mail Scanner:/nonexistent:/sbin/nologin qtss:*:554:554:Darwin Streaming Server:/nonexistent:/sbin/nologin ircdru:*:555:555:Russian hybrid IRC server:/nonexistent:/bin/sh bacula:*:910:910:Bacula Daemon:/var/db/bacula:/sbin/nologin
以下は、現在予約されている GID の一覧です。
bind:*:53: cyrus:*:60: proxy:*:62: authpf:*:63: uucp:*:66: dialer:*:68: network:*:69: pgsql:*:70: www:*:80: qnofiles:*:81: qmail:*:82: mailman:*:91: postfix:*:125: maildrop:*:126: rbldns:*:153: qtss:*:554: ircdru:*:555:
このリストを最新の状態に保つためにも、 この範囲の UID や GID を予約するような port を作ったり、 既存の port にそのような改変を行なってわたしたちに送るときには UID の予約に関する注意書きをつけてください。
16.13. 合理的な port
Makefile は単純かつ適切であるべきです。もし、 Makefile を数行短かくできたり、 もっと読みやすくできるのであればそうしてください。 たとえば、 シェルの if
構文を使うかわりに make の .if
構文を使う、 EXTRACT*
の再定義で代用できるのであれば do-extract
を再定義しない、 CONFIGURE_ARGS += --prefix=${PREFIX}
とするかわりに GNU_CONFIGURE
とする、などです。
何かをするのに自分で新しくコードをたくさん書かなければならなくなった場合は、 戻って bsd.port.mk であなたがやろうとしていることが既に実装されていないか見直してください。 読むのは大変ですが、難しく見える問題で bsd.port.mk が簡単な解決法を提供しているものが数多くあります。
16.14. CC
および CXX
の尊重
Port は CC
および CXX
変数を尊重すべきです。ここで言いたいのは、port は、既存の値を上書きしてこれらの変数をまるごと設定しなおすべきではなく、 その代わり必要な値を既存の値に追加してゆくべきだということです。 そうすれば、すべての ports に影響するビルドオプションをグローバルに設定できます。
Port がこれらの変数を尊重しない場合は、 Makefile に NO_PACKAGE=ignores either cc or cxx
を追加してください。
CC
と CXX
変数を尊重している Makefile の例を次に示します。?=
に注意してください。
CC ?= gcc
CXX ?= g++
こちらは、CC
変数も CXX
変数も尊重していない例です。
CC = gcc
CXX = g++
FreeBSD システム上では、CC
および CFLAGS
変数は、どちらも /etc/make.conf で定義できます。最初の例では、システム全体の定義を保存している /etc/make.conf で値がすでに設定されてない場合に限って、値を設定します。 2 番目の例では、すでに設定されていた内容を上書きしてしまいます。
16.15. CFLAGS
の尊重
CFLAGS
変数は尊重すべきです。 ここでいいたいのは、port は、 既存の値を上書きしてこの変数をまるごと設定しなおすべきではなく、 その代わり必要な値を既存の値に追加してゆくべきだということです。 そうすれば、すべてての ports に影響するビルドオプションをグローバルに設定できます。
port がこれを尊重しない場合は、 NO_PACKAGE=ignores cflags
を Makefile に加えてください。
CFLAGS
変数をきちんと考慮した Makefile の例を以下に示します。 +=
の部分に注目してください。
CFLAGS += -Wall -Werror
次は CFLAGS
変数を考慮しない Makefile の例です。
CFLAGS = -Wall -Werror
CFLAGS
変数は、FreeBSD システムの /etc/make.conf で定義されています。 最初の例では既存の定義を保存しつつ CFLAGS
変数にオプションフラグを追加しているのに対し、 二番目の例では既存の定義をすべて無効にしてしまっています。
16.16. コンフィグレーション (設定) ファイル
もしあなたの port が設定ファイルを PREFIX/etc に置く必要がある場合には、それを単純にインストールしたり、 pkg-plist に加えてはいけません。 こうしてしまうと pkg_delete(1) によってユーザが苦労して作ったファイルが消えてしまったり、 新しくインストールする時に上書きされてしまったりします。
かわりに見本となるファイルをサフィックス (filename.sample が良いでしょう) を付けてインストールしてメッセージを表示し、 ソフトウェアを動かす前にユーザがそのファイルをコピーして編集をしなければならないことを知らせましょう。
16.17. フィードバック
port を作るためにソフトウェアに変更を加えたら、 なるべく原作者にその旨を伝えてパッチ等を送ってください。 これらが次のリリースに取り入れられればアップグレードが楽になります。
16.18. README.html
README.html というファイルを含めてはいけません。 このファイルは、cvs コレクションの一部ではなく、 make readme
コマンドで生成されるファイルです。
16.19. Port に BROKEN
, FORBIDDEN
などの印をつける
ある port にセキュリティ脆弱性があることが判明したり、 根本的に壊れてしまい修正に何時間もの注意深い作業が必要になったり、 基本的には廃れてしまったものの、 何らかの理由で ports ツリーには残される (もちろんあとで修正しますよね?) という日が来るのは避けられません。 ある port が壊れていることを示すために、port の Makefile では 3 つの make
変数が使えます。以下の make
変数の値は、 その port が壊れている理由を説明するためにユーザに示されます。 それぞれの make 変数は、ユーザと Makefile を処理する自動化システムに対して根本的に異なる意味を伝えますので、 正しい make
変数をお使いください。
BROKEN
は、動作しないためインストールすべきでない port 用のものです。これは、ユーザがその port をインストールしないようにしますが、BROKEN
とされた port は Bento クラスタで引き続きビルドされます。 ユーザには port をインストールしてほしくないけれども Bento ではビルドしてほしい場合は、port をBROKEN
にしてください。FORBIDDEN
は、セキュリティ脆弱性があったり、その port をインストールすると FreeBSD システムの安全性に重大な懸念を生じる (たとえば、セキュアでないという評判があるプログラムや、 容易に悪用できるサービスを提供するプログラムなど) port 用のものです。 あるソフトウェアの一部に脆弱性があることが判明し、 修正がリリースされていない場合はFORBIDDEN
にすべきです。 理想的には、セキュリティ脆弱性が発見された時は、 脆弱性を抱えた FreeBSD ホストの数を減らすために、 ただちに ports を更新すべきです (我々は、セキュアであるという評判を得たいのです)。 しかし、脆弱性が公表されてから、 脆弱性を抱えたソフトウェアの新しい版がリリースされるまでに無視できない時間があくことがままあります。 セキュリティ以外の理由で port をFORBIDDEN
にしないでください。IGNORE
は、どんな理由であれビルドすべきではない port 用です。 ユーザも Bento クラスタ も、どんな状況であれIGNORE
とされた port はビルドしません。 嘘だと思うなら、port のビルドを妨げるのにIGNORE
を使ってみてください。
この変数を使うのは、port が更新できない場合の最後の手段にしてください。 ずっと壊れたままの port は、ports ツリーから完全に削除すべきです。
16.20. 必要な回避策
古いバージョンの FreeBSD のソフトウェアにあるバグを回避する必要があることがあります。
make(1) は、少なくとも 4.8 と 5.0 を含むいくつかのバージョンで、
OSVERSION
に基づく比較に関してバグがあります。 これは、make describe
の最中にエラーを起こすことになりやすく (したがってmake index
全体も失敗することに) なります。回避策は、条件比較を括弧にいれることで、たとえばif ( ${OSVERSION} > 500023 )
となります。4.9 と 5.2 で port のインストールテストを行っても、 この問題は見つかりません。
Chapter 17. Makefile のサンプル
これは port の Makefile を作る際のお手本です。 かぎかっこ ([]) 内のコメントは忘れずに取ってください。
変数の順番、段落の間の空行など、 Makefile を作るときはなるべくこの形式に従ってください。 この形式は重要な情報が簡単に見つけられるように設計されています。 portlint を使って Makefile をチェックすることが推奨されています。
[ヘッダ ... どのような port の Makefile かすぐにわかるようになっています] # New ports collection makefile for: xdvi ["version required" 行は、PORTVERSION 変数では port のバージョンを 十分に表現できない場合にのみ必要です。] # Date created: 26 May 1995 [このソフトウェアを最初に FreeBSD に port した人の名前、つまり、 この Makefile の最初の版を書いた人です。この port をアップグレー ドするとき、この行も変えないでください。] # Whom: Satoshi Asami <asami@FreeBSD.org> # # $FreeBSD$ [ ^^^^^^^^^ この部分は、CVS ツリーに入れる時に自動的に RCS の ID 文字列に 置き換えられます。] # [port 自体、およびオリジナルのソースを取ってくるところを記述する部分。 最初は必ず PORTNAME と PORTVERSION, そして必要なら PKGNAME, CATEGORIES, 続いて MASTER_SITES が置かれ、さらに MASTER_SITE_SUBDIR が 置かれることもあります。必要なら PKGNAMEPREFIX と PKGNAMESUFFIX が それに続き、そして DISTNAME, EXTRACT_SUFX, DISTFILES が、 また、その後に必要に応じて EXTRACT_ONLY が置かれます。] PORTNAME= xdvi PORTVERSION= 18.2 CATEGORIES= print [MASTER_SITE_* マクロを使用しない場合は、 最後のスラッシュを忘れないように ("/")!] MASTER_SITES= ${MASTER_SITE_XCONTRIB} MASTER_SITE_SUBDIR= applications DISTNAME= xdvi-pl18 [ソースファイルが標準の ".tar.gz" 形式でない時にこれを使いましょう] EXTRACT_SUFX= .tar.Z [配布パッチセクション -- ない場合もあります] PATCH_SITES= ftp://ftp.sra.co.jp/pub/X11/japanese/ PATCHFILES= xdvi-18.patch1.gz xdvi-18.patch2.gz [保守責任者 -- これは *必ず* 必要です。担当者 (あなた) 自身、あるいは 担当者に素早く連絡をとれる人のアドレスを書いてください。どうしてもこ こに自分のアドレスを書くのがいやな人は "ports@FreeBSD.org" と書いて もいいです] MAINTAINER= asami@FreeBSD.org COMMENT= A DVI Previewer for the X Window System [依存するport -- ない場合もあります] RUN_DEPENDS= gs:${PORTSDIR}/print/ghostscript LIB_DEPENDS= Xpm.5:${PORTSDIR}/graphics/xpm [ここには標準の bsd.port.mk の変数で、上のどれにもあてはまらないものを 書きます] [コンフィグレーション、コンパイル、インストールなどの時に質問をする なら…] IS_INTERACTIVE=yes [${DISTNAME} 以外のディレクトリにソースが展開されるなら…] WRKSRC= ${WRKDIR}/xdvi-new [配布されているパッチが ${WRKSRC} に対する相対パスで作られてい い場合にこの変数の指定が必要かも…] PATCH_DIST_STRIP= -p1 [GNU autoconf によって生成された "configure" スクリプトを走らせたいなら…] GNU_CONFIGURE= yes [/usr/bin/makeでなく、GNU make を使わないといけないなら…] USE_GMAKE= yes [これが X のアプリケーションで、"xmkmf -a" を走らせたいなら…] USE_IMAKE= yes [などなど] [下の方のルールで使う非標準の変数] MY_FAVORITE_RESPONSE= "yeah, right" [そして、特別なターゲット、使用順に] pre-fetch: i go fetch something, yeah post-patch: i need to do something after patch, great pre-install: and then some more stuff before installing, wow [最後には必ず] .include <bsd.port.mk>
Chapter 18. パッキングリストの自動生成
まず、あなたの port に pkg-plist がないことを除けば完成していることを確認してください。
次に、あなたの port をインストールする一時ディレクトリを作成して、 依存するものをすべてインストールしてください。 port-type は X アプリケーションではない port については local
、 XFree86 4 またはそれより前の XFree86 のディレクトリ階層にインストールする ports については、それぞれ x11-4
または x11
にすべきです。
# mkdir /var/tmp/port-name
# mtree -U -f /etc/mtree/BSD.port-type.dist -d -e -p /var/tmp/port-name
# make depends PREFIX=/var/tmp/port-name
このディレクトリ構造を新しいファイルに保存してください。
# (cd /var/tmp/port-name && find -d * -type d) | sort > OLD-DIRS
空の pkg-plist ファイルを作成してください。
# touch pkg-plist
もしあなたの port が PREFIX
にちゃんと従うなら、 ここで port をインストールしてパッキングリストを作ることができます。
# make install PREFIX=/var/tmp
# (cd /var/tmp/port-name && find -d * \! -type d) | sort > pkg-plist
新しく生成されたディレクトリはすべてパッキングリストに追加する必要があります。
# (cd /var/tmp/port-name && find -d * -type d) | sort | comm -13 OLD-DIRS - | sort -r | sed -e 's#^#@dirrm #' >> pkg-plist
最後にパッキングリストを手で整える必要があります; すべてが自動化されているわけではありません。 マニュアルはパッキングリストに記述するのではなく、 port の Makefile 中の MAN_n_
に 記述しなければなりません。 ユーザ設定ファイルは削除するか filename.sample としてインストールされなければなりません。 また info/dir ファイルはリストに含めず、 info ファイルに記述されているように、 適切な install-info 行に追加しなければなりません。 port によってインストールされるライブラリは、 共有ライブラリ のセクションで示したように記載されるべきです。
または、/usr/ports/Tools/scripts/ にある plist
スクリプトを使ってパッキングリストを自動的に生成してください。
Chapter 19. この文書と ports システムの変更
もしあなたが、たくさんの ports の保守をしているのであれば、 FreeBSD ports メーリングリスト の内容を読むことを考えてください。 ports のしくみについての重要な変更点はここに アナウンスされます。 最新の変更点については、いつでも、 bsd.port.mk の CVS ログで詳細な情報を得ることができます。
port メンテナを補助するほかのリソースとして、 bento クラスタ
に置かれている パッケージビルド記録とエラー一覧、また FreeBSD Ports distfiles 調査があります。
最終更新日: 2021年12月11日 by Sergio Carlavilla Delgado